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吹抜けのある家のメリット・デメリット・注意点

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吹抜けのある家のメリット・デメリット・注意点

吹抜けのある家に憧れを持っている人は多いものです。これから家づくりをする人が、間取りプランを検討していく過程のなかで、住まいのなかに吹抜けを設けるかどうか設計者などと相談することもあるでしょう。

吹抜けのある家とするかどうか迷ったときに参考になるよう、吹抜けのメリットやデメリットについて説明し、また吹抜けを採用するときに注意すべき点についても解説します。

1.吹抜けのある家の4つのメリット

吹抜けのある家とするメリットについて考えましょう。デメリットと違い、メリットはイメージしやすいかもしれませんね。

  1. 開放感がある
  2. 採光がよく明るい
  3. 家族の存在・様子がわかりやすい
  4. 上下階でコミュニケーションをとりやすい

いかがでしょうか。あなたが考えていたメリットと一致していますか?念のため、それぞれの項目についてもう少し詳しく見てみましょう。

吹抜けのメリット

1-1.開放感がある

吹抜けのあるスペースは、空間がとても広く、その開放感が非常に大きな魅力となっています。開放感のある家は、多くの家づくりをする人にとって憧れですね。

例えば、2階建て住宅で吹抜けを作れば、その部分の1階の天井高が5メートルを超えるものにすることも可能です。最近の一般的な住宅の天井高は2.4~2.5メートルが多いですから、随分と開放感の違いを感じられることでしょう。

1-2.採光がよく明るい

吹抜けスペースとした部分の壁には、窓を設けることが一般的です(窓がないと吹抜けの意味がほとんどない)。壁の高い位置に窓を設けることで、採光上とても有利になり、非常に明るいスペースにすることができます。もちろん、その窓の面積を大きくすることで、より明るくなりますから採光を重視するなら窓の大きさにもこだわりをもちましょう。

1-3.家族の存在・様子がわかりやすい

家族が同じ時間帯に家にいたとしても、その気配を感じなければ、いるかどうかわかりませんし、何をしているかもわかりません。しかし、吹抜けのある家では、2階で家事をしているときに1階にいる子供の様子がわかりやすいものです。

同じ建物内にいる家族の存在やそのときの様子を感じやすいことはメリットですね。

1-4.上下階でコミュニケーションをとりやすい

吹抜けという空間は、開放感や明るさというメリットだけではなく、便利なものです。上の階から下の階へ話しかけても(もちろんその逆に下から話しかけても)声が聞こえやすいため、上下階で簡単にコミュニケーションをとりやすいです。

2.吹抜けのある家の7つのデメリット

次に吹抜けのある家のデメリットを見ていきましょう。

  1. 清掃やメンテナンスが困難(電球の交換も困難)
  2. エアコンの効率が悪く光熱費が上がる
  3. 冬は寒く、ガラス張りにすると夏は暑い
  4. 臭いや音の問題がある
  5. 高い窓は防災時に不安がある
  6. 照明器具の選定が難しい
  7. 構造的に弱い

デメリットを挙げて見ると7つもありました。メリットの4つに対した多すぎますが、あまり気にせず詳細を確認しましょう。

吹抜けのデメリット

2-1.清掃やメンテナンスが困難(電球の交換も困難)

吹抜けのある家のデメリットとして、最初に挙げられるのは清掃やメンテナンスがやりにくいという点です。高い位置にある窓の掃除はどのようにしますか?長い梯子を掛けて掃除するのは面倒ですし、危険でもあります。高齢になったときには危険すぎますね。

吹抜けのある部分は天井が極端に高いわけですから、照明の電球を交換するのも大変です。LEDで長持ちするものにしておきたいところですが、それでもいずれは交換する時期がやってきます。

2-2.エアコンの効率が悪く光熱費が上がる

吹抜けのメリットの1つである開放感ですが、これにはマイナス面もあります。空間が広いばかりに、エアコンの効率が非常に悪くなるのです。それは、つまり光熱費のアップを意味します。電気代は高いですから、それがさらに高くついてしまうのはデメリットとして見逃せないのではないでしょうか。

2-3.冬は寒く、ガラス張りにすると夏は暑い

温かい空気は上へ上がっていくということをご存知でしょうか。吹抜けのある空間では、温かい空気が上へ行くとために、下の方には冷たい空気が溜まりやすくなります。つまり、冬の寒さがデメリットとなります。これを補うためにエアコンを使うわけですが、前述したようにその効率は悪いわけです。

床暖房を設けるなどして輻射熱で人を温めてあげるのは1つの良い対策になります。

暖かい空気が上へ行くのであれば、夏は涼しくてよいのかと思いがちですがそうでもありません。吹抜けのメリットの1つである明るさと関係するのですが、採光を得るために設けた大きな窓は夏の強い日差しを採りこんでしまうために暑くなります。

吹抜け部分の壁の多くをガラス張りにしている家もありますが、それで.は非常に暑くなってしまいます。外壁面を減らしてガラス面積を増やしてしまうと、壁の断熱材も少なくなるため暑くなりやすいです。

2-4.臭いや音の問題がある

メリットとして、コミュニケーションをとりやすいことや家族の存在・様子がわかりやすいことを挙げましたが、実はその吹抜け空間から音や臭いが上下階で伝わりやすいこともデメリットとなっています。吹抜けは、見える・感じられるというだけではなく、聞こえる・臭うということにも役立ってしまうわけです。

リビングなどの音が上階の子供部屋に聞こえてしまい、受験勉強に影響するといった問題などが想定されます。

また、音が反響しやすいため、オーディオやピアノ音に対する近隣への防音対策をとっておかないといけません。

2-5.高い窓は防災時に不安がある

吹抜けを設けるならば、高い位置に窓を作るでしょう。ただ、防災という点では高い位置の窓がマイナスに作用することもあります。強い台風のときの飛来物があたって窓が割れてしまうといったことです。高い位置で割れた窓ガラスは広範囲に飛び散りやすいので、少し心配です。

2-6.照明器具の選定が難しい

吹抜けに付ける照明をどういったものにすべきか悩ましいものです。天井高が非常に高いわけですから、天井から吊り下げるペンダントタイプやシャンデリアのようなものが好まれますが、地震時には揺れます。また、掃除も困難ですね。

照明の選定

2-7.構造的に弱い

吹抜けのある家は、構造的に弱いと言われています。地震等の揺れを受けた建物は、何も上下のみに力がかかるわけではありません。水平方向にも力がかかるのです。その水平方向の力に対しては床が支えるわけですが、吹抜け部分ではその床がありません。

階段スペースも床がありません(1~2階の階段ならば2階の床部分がない)。よって、同じように水平方向の力に対して弱いので、階段の壁にひび割れが生じている家を見かけることは多いです。これと同じように吹抜け部分の壁にひび割れが生じているケースは非常に多いです。

3.吹抜けのある家を作るときの注意点

最後に吹抜けのある家を建てるときの注意点をあげておきます。先にあげたデメリットを少しでも解消できれば、吹抜けのある家を考えやすくなりますね。ここであげた注意点を参考に家づくりを考えてはいかがでしょうか。

3-1.窓・カーテンの開閉を電動式にする

吹抜けの位置にある窓をFIX(固定式)にするプランが多いですが、開閉式にして空気・風を取り入れられるプランがオススメです。

但し、高い位置にある窓を手動で開閉するのはあまりに困難ですから、そういったときのために電動式にしておくことをオススメします。そして、そこへ設置するカーテンも電動式にしておくべきです。

もちろん費用がかかることですから、予算との兼ね合いもありますが優先度は高いのではないでしょうか。窓の全てを開閉できなくとも一部のみを電動による開閉式にしてはいかがでしょうか。

3-2.ひび割れ等の対策を考慮した設計をする

デメリットの1つに吹抜けは構造的に弱いということをあげました。これは大きな課題です。法規準をクリアしていても、構造的に弱くてひび割れなどの症状が出てくることはよくあることなのです。

設計者とよく相談して、法規準をクリアしているからよいという単純な判断だけではなく、対策を考えた方がよいでしょう。

例えば、吹抜けのコーナー部分に火打ち梁を設ける方法が有効です。ただ、火打ち梁を露出させていることがデザイン的に嫌だという人もいます。そこはデザイン上の工夫を考慮する必要はありますから、設計者と相談しましょう。

火打ち梁を露出させた場合、その上にたまる埃の掃除が面倒だという問題もありますね。

3-3.サーキュレーターか天井扇(逆風あり)がオススメ

暖かい空気が上へ上がるために、冬には寒いことがデメリットになっています。また、夏は日差しで暑いこともデメリットです。この対策として、室内で強制的に空気を動かすことを考えるとよいでしょう。具体的には、サーキュレーターや天井扇の活用です。

風の流れも考慮して有効な位置に有効なものを設置できるよう、これも設計者ときちんと相談したほうがいいですね。

空気を動かす

3-4.清掃対策

高い位置の窓掃除についても対策を考えておきたいところです。代表的な方法は窓まで人が安全に移動できるキャットウォークを設けるプランです。キャットウォークといっても実際に猫が歩く道程度の広さというわけではなく、人が移動するスペースで廊下のようなものです。

但し、廊下の位置・大きさなどによっては、採光・風などに影響を与えますから、プランは慎重に考えましょう。

また、バルコニーや屋上から窓へ近づけるプランを考えるのもよいですね。

人気の高い吹抜けのある家ですが、ここであげたメリット・デメリットや注意点などを参考にしてプランを考えてみてください。

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