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新築住宅の建築中の基礎工事のチェックポイント(配筋・コンクリート打設)

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新築住宅の建築中の基礎工事のチェックポイント

新築住宅を建て始めたとき、多くの人が最初に気にすることは基礎のことです。基礎は住宅を支える大事な部位なので、「基礎工事はきちんとしてくれているだろうか」「施工ミスが起こっていないだろうか」などと心配する人から相談を受けることは多いです。

住宅購入や建築に関する無料相談を受けている住まいの殿堂の相談コーナーでも、基礎工事に関する不安を抱えた人から多くの相談が投稿されていることからも、心配が絶えないことがよくわかります。

そこで、基礎工事について施主が素人ながらも自分でチェックできることを紹介します。もちろん、専門家と違って何もかも検査できるということはありませんが、ある程度の確認はできなくもありません。必要な知識をつけてできる範囲でセルフチェックしてはいかがでしょうか。

1.基礎の配置(建物配置)のチェック

基礎工事をチェックする機会は以下の4回です。

  • 基礎工事に着手したとき
  • 配筋工事のとき
  • コンクリートの打設時
  • 型枠を撤去したとき

基礎の配置

但し、基礎コンクリートの打設は底盤と立ち上がりの2度に分けることが多いため、配筋工事もコンクリート打設も全て確認するならば、2度ずつ必要になります。

まずは、基礎工事に着手したときのチェックポイントから紹介します。この時点で確認したいポイントは、基礎の配置が設計図面と一致しているかどうかです。たとえば、基礎が全体的に東側に20cmもずれていたという事例もありました。隣地境界との距離の関係で隣地の人とトラブルに発展したこともあります。

そんな基礎的なことを建築会社がミスするわけないと思うかもしれませんが、実際に起こっていることですから、念のために確認しておきたいものです。

また、建物全体の配置のずれではなく、基礎が部分的に図面と相違しているという事例もあります。ひどいときには、この基礎のずれにあわせて壁の位置までずれたまま施工し、廊下や部屋の幅、広さに影響を与えていたこともありました。

途中で建築会社も気づいておきながら、そのまま工事を進めていたようです。驚く話ですね。

早い段階で気づいた方がやり直しもしやすいですから、この時点で確認しておきたいチェックポイントです。現場では、基礎伏図や平面図、配置図を用意して照合してみるとよいでしょう。

基礎配筋のチェック

2.基礎配筋のチェック

基礎工事のチェックが重要である理由は、基礎が家を支える部位だからというだけではありません。コンクリートを打設してしまったら、その内部の鉄筋を目視確認することができなくなるからです。

住宅には、工事が進むとどうしても隠れて見られなくなる箇所が増えていきます。壁の内部もそうですね。完成物件を購入するケースと違って、これから建築される家を購入する人にとっては、こういった箇所まで確認することができるのは大きなメリットですから、活かさない理由はないでしょう。

それでは、大事な基礎の配筋工事のチェックポイントを紹介します。

このときに用意しておきたい図面は、基礎詳細図・仕様書・基礎断面図です。

  • 鉄筋の位置
  • 鉄筋の径(鉄筋の断面の直径)
  • 配筋のピッチ(鉄筋と鉄筋の間隔)
  • かぶり厚さ
  • 鉄筋の継手長さ
  • 鉄筋の定着長さ
  • 開口部の補強筋
  • 型枠の設置状況(基礎の計上・寸法も)
  • アンカーボルトの位置・固定状況
  • ホールダウンボルトの位置・固定状況

この項目について、現場で図面と照合しながら確認していきましょう。

アンカーボルトとホールダウンボルトは、基礎のコンクリートを打設する直前に確認しておきたい項目です。その他の項目は基礎底盤のコンクリート打設前と立ち上がりの打設前の2回の確認機会があります。

3.基礎コンクリートのチェック

基礎コンクリートのチェックは、コンクリートを打設するときと、打設の完了後に型枠を撤去してコンクリートが露わになったときです。この2回に分けて解説します。

コンクリート打設のチェック

3-1.コンクリート打設時

基礎コンクリートは、多くの住宅において底盤と立ち上がりの2度にわけて打設しています。現場によっては一度で打設することもありますので、必ず2度というわけではありません。

打設時には、以下のチェックポイントに注意して現場で見ておく必要があります。

  • 型枠の設置状況
  • 基礎の形状・寸法
  • スリーブ等の状態
  • 打設箇所の清掃状態・散水状況
  • 生コンの納品書(施工者に提出してもらう)
  • 受け入れ検査の確認(実施する場合のみ)
  • 打設時の状況(バイブレーターの実施状況)
  • 締め固め・コテ押さえ
  • アンカーボルトの状況

3-2.コンクリートの仕上がり(型枠撤去後)

型枠撤去後のチェック

基礎コンクリートの打設完了後、型枠を撤去しますが、その撤去後に確認すべきことを紹介します。

  • ジャンカ
  • ひび割れ
  • コールドジョイント
  • ブリージングによるレイタンス
  • アンカーボルト・ホールダウンボルトの状況
  • アンカーボルトのねじ山の清掃状況
  • 埋め戻し土の締め固め
  • 埋め戻し土のガラ等の有無
  • 防湿シートの状況(布基礎の場合)
  • 土壌の防蟻措置(布基礎の場合)

以上が、基礎工事におけるチェックポイントです。現場で確認した際に不審な点やわからない点があれば、写真撮影して専門家に相談することも考えるとよいでしょう。建物を支える住宅の重要な部位ですから、安心できる状況になってから次へ進んでいくとよいでしょう。

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