住宅購入・建築の注意点

工事が長期間停止中の新築住宅の工事再開時の注意点

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工事が長期間停止中の新築住宅の工事再開時の注意点

注文建築で新築住宅を建築する途中に、何らかの原因で工事が長期間停止して待っているケースが散見されます。

建築会社が下請け業者の手配に手間取った、建築資材が納入されない、施主都合で建物プランを変更するために工事を止めて打合せを何度もしていた、建築会社が倒産したなど様々な理由で長期間の停止になっている事例を見てきました。

建築会社の都合、施主の都合、いずれのケースもあるということです。本当に家の新築にはいろいろなトラブルがあるものです。

無事にそのトラブルなどが解決して、工事を再開する段階になったとき、施主が注意しなければならないことがあります。何の警戒もせず工事を再開したら、後で問題が発覚して取替えしのつかないこともあります。施主がとるべき対策や知っておくべき注意点を解説します。

1.建物の状態を要チェック

工事再開の目途がたったとき、長期間、風雨にさらされていた建物に問題が生じていないか確認すべきです。現場の養生状態によっては、悪影響が出ていることもあるからです。これまでに見てきた工事停止物件でのトラブル事例をあげるので、チェックポイントとして確認してください。

1-1.木部の雨濡れ

最も多い問題は、工事停止中の雨による被害です。木造住宅で上棟した後に工事が止まってしまった場合、雨濡れ被害が生じることがあります。

濡れたとしても十分に乾燥し、且つ乾燥した状態で影響が出ていなければよいのですが、構造用合板・下地材は乾燥しても歪んでしまうことがあります。それ以前に触っても腐食がわかるほどひどい被害を受けていたら論外ですね。

構造用合板などは施工されたものだけが問題になるのではなく、現場へ納入されて積み上げたまま放置されているものも対象です。雨濡れなどによって、カビ・腐食などの被害が出ているにも関わらず、そのまま使用されてしまうことのないようにしたいものです。

また、濡れた箇所周辺からカビが繁殖しているケースもあります。

1-2.防水シートの破れ

上棟してしばらくすると、屋根や外壁面には防水シートが施工されます。その状態で工事が長期間停止した場合、強い風で防水シートが破れてしまっているケースがありました(直接的な風の影響とは限らず、風と飛ばされてきた物が衝突することで破れた可能性もあります)。

1-3.動物の足跡・糞

工事再開前の住宅を第三者検査に入ったとき、至る所に動物の足跡があったことがあります。ぬかるんだ土の上を通ってきて建物内へ入ってきたのでしょう。構造的に影響を与えるわけではないですが、やはり施主の気持ちで考えるとよい気分ではありませんね。

また、床下から動物の糞が見つかったこともあります。見た目も衛生上もよくありませんね。

2.工事再開前のチェックは専門家に任せる

工事再開前のチェックが重要なことは分かったと思いますが、これを自分でやるには難しい面もあります。特に雨濡れによる影響について的確に判断するには知識と経験が必要です。できるだけ乾燥した状態のときに、木部の含水率を計測したり、歪み、腐食、カビなどの被害がないか調査したりしなければなりません。

こういったことは建築の専門家に任せた方がよいでしょう。建築会社に診てもらうのは当然ですが、利害関係もありますから、第三者の専門家に依頼することも考えましょう。

工事停止の時点で、床板や天井板を施工済みであるならば、できれば床下や小屋裏の内部まで調査してもらうことが好ましいです。

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補修費用と責任の負担を明確にする

3.補修費用と責任の負担を明確にする

工事再開前のチェックの結果、補修等の対応が必要になったとき、その負担・責任をどうするのか決めておくことも大事なことです。基本的には、工事を止める原因を作った人が責任も負担も負うことが一般的な考え方です。

3-1.建築会社の都合で工事停止していた場合

下請け業者や職人の手配ができなくて工事が停止した場合、その責任は一般的には建築会社にある場合が多いです。契約で取り決めた工期内に収めるように手配すべきなのですが、その責務を怠った可能性があります。

また、それまでの工事の施工ミスが原因で建築会社と施主の間でもめていた場合も建築会社の責任と言えることが多いです。しかし、施主が明らかに過剰な要求をしていた場合にはそうとも言えないことがあります。

3-2.施主の都合で工事停止していた場合

そう多くはありませんが、施主都合により工事を止めてしまっているケースもありました。工事の途中で施主がプラン変更を希望した場合です。変更内容によっては、行政手続きが必要になることもありますし、施主の変更要望が2転、3転するうちに時間が経過したという場合もあります。

このような場合では、施主の責任が問われることが多く、補修費用等の負担が生じる可能性あるのです。但し、建築会社の現場管理責任もありますから、一概には言えません。

3-3.建築会社が変更になる場合

これまでにも何度が、建築途中に建築会社が倒産してしまったという事例を見てきました。その場合、一方的に工事は停止されてしまうことが多いです。工事請負契約書を解除しても、支払い済みの手付金などは返金されないこともあり(倒産したので支払えないため)、施主としては大変厳しい状況になります。

その解決のために奔走するうちに多くの時間を費やし、長期間の工事停止となってしまうことは多いです。

最終的に別の建築会社に工事を発注することになった場合、施主だけではなく、新たに工事を引き受ける建築会社としてもそれまでに他社が行った工事に問題がないのか心配になるものです。倒産したわけですから、余計に信用しづらいものです。

こういった場合、建物の第三者チェックも補修工事費用も施主の負担となることが一般的です。

まさか自分の家が工事停止になってしまうことはないだろうと思われるかもしれませんが、これは誰にでも起こりうることですから、万一のときの参考にしてください。

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