家づくりや住宅のリノベーションのプラン(間取り)を考えるとき、あなたはデッドスペースについて真剣に考慮できていますか?間取りにデッドスペースがあることで、もったいないことになっていませんか?
今、間取りを考えている人が知っておくべきデッドスペースの問題とそのチェック方法をご紹介します。
これで限られた住まいのスペースを有効活用して、契約後にプランで後悔しないようにしましょう。
1.間取りのデッドスペースとは?
間取りにおけるデッドスペースとは何のことでしょうか?
簡単に言えば、デッドスペースとは利用しづらいスペースです。その空間を何か使うということが難しく、何とか収納にしようかと考えるぐらいしかできないもので、間取り作成上、よく考えておかないと無駄なデッドスペースが多く出来てしまいます。
デッドスペースが全くない住宅というのは、少ないものであり、ある程度は仕方ないものですが、その面積が広いと本当にもったいないですね。大きな邸宅ならまだしも、日本の住宅面積は大きくありませんから、限られた大きさの住宅のなかでは、デッドスペースは極力抑えたいものです。
また、人の動線となるスペースが広すぎるのも、場合によってはもったいないこともあります。動線にもよりますが、ただ住宅内を移動するだけのスペースが広すぎるのも、限られたスペースを有効に活かせていないと言えます。たとえば、住宅の床面積に対して占める廊下面積が広すぎるのはもったいないですね。
2.デッドスペースだらけの間取りがなぜできるのか?
デッドスペースについて少し考えれば、多くの人があまり歓迎しないものだとわかりますね。それでも、多くの住宅の間取り図を見ていると驚くほどデッドスペースが多いです。それでは、なぜ間取りを作っていくなかでデッドスペースが出来てしまうのでしょうか。
2-1.施主が間取り図を描くとデッドスペースだらけになる
素人というと気分を害されるかもしれませんが、間取り作成に慣れていない人が間取り図を描くとどうしてもデッドスペースが増えてしまうことが多いです。それまで真剣に間取りを考えたり作ったりしたことないわけですから、仕方ないことです。
2-2.施主の要望を詰め込んだだけの間取り図はデッドスペースが多い
ハウスメーカーや工務店の担当者が、施主からの受けた要望をただただ詰め込んでしまったプランというものは本当に多いです。要望を聞いたのだからいいだろうと安易に考えている担当者にがっかりすることでしょう。
間取りなどプランに関する要望を聞いて、間取り図などを作成する人が初期段階では営業マンが対応している会社もあります。この場合は、あまり多くを期待するのは難しいでしょう。施主が不満を示すと、「あなたが言った条件の通りですよ」と言われてしまうこともあります。
また、設計者でも設計者としての提案を入れず、施主の要望を詰め込んだだけのプランを作成してしまうことはよくあります。営業マンでも設計者でも、要望をただ詰め込んでいってしまっただけならば、デッドスペースが増えてしまうことが多いです。
3.上手に間取りのデッドスペースをチェックする方法
それでは、出来上がった間取り図からデッドスペースがどれだけあるのか、どのようにチェックすればよいか解説していきます。お手元に間取り図のコピーを用意して見比べて頂くとよいでしょう。
3-1.家具を間取り図に配置するとデッドスペースがわかりやすい
お手元の間取り図に、家具は描かれていますか?以下の間取り図には家具が描かれていませんね。
キッチンやトイレなどの設備は描かれていても、テレビボード・冷蔵庫・テーブル・ソファ・棚などは造りつけのものでなければ、描かれていないことが多いので、自分自身で書き込んでみてください。
このときに注意すべきは、そのサイズです。間取図の縮尺に合わせて、できる限り正しいサイズで書き込むことです。間取図にソファーやダイニングテーブルなどが描かれているときは、そのサイズが正しいものかチェックしておいた方がよいです。
以下は赤線で家具を描きこんだ間取り図です。
これだけで勘の良い人ならば、デッドスペースに気づくかもしれません。ただ、クイズをしているわけではないですから、この時点でのチェックに時間をかける必要もありません。次へ進みましょう。
3-2.間取り図を色分けするとデッドスペースがわかりやすい
間取り図に家具等を書き込んだ後は、間取り図を色分けしていきます。色を付けるのは人の動線です。
台所では料理するときの動線、ダイニングテーブルへの動線、階段や玄関・トイレへの動線、くつろぐソファーへの動線など全てです。
以下が動線とその他を色分けした間取り図です。
グリーンの部分が動線です。
いかがでしょうか?これでデッドスペースが見えてきませんか?
さらにデッドスペースをブルーにしてみましょう。
居住スペースなどとして使用しない、もったいないスペースが、これだけあることに気づきますね。この間取りは、まだまだ改善の余地があることがわかります。
デッドスペースをチェックするときには、正確なサイズで家具等を配置すること、動線を考えること、色分けすることの3点が大事です。お手元の間取り図を色分けしてみてください。