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注文住宅を建てる流れと後悔しないための注意点

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注文住宅を建てる流れと後悔しないための注意点

これから注文住宅を建てたいという人から、「何から始めればよいかわからない」「とりあえず住宅展示場に行けばいいの?」「工務店はどうやって探せばよいか?」といった初歩的な相談を受けることも多いです。

多くの人にとって住宅取得は初めてです。もしくは、これまでに分譲マンションや建売住宅を買ったことはあるけど、注文住宅の建築は初めてだという人も多いです。

はじめての家づくりでは、何から始めればよいのか、更にどういう流れで進めていけばよいのかわからないということが多いですから、ここで注文住宅を建てる流れとそれぞれのフローにおける基本的な注意点を解説します。これから注文住宅を建てたい人が最初に読んでおきたい記事です。

1.注文住宅で家を建てるときの基本的な流れ

それでは、家を建てる流れを順に見ていきましょう。そろそろ家を建てたいなと考え始めたら、まずは以下の流れになることを覚えておきましょう。

  1. 家を建てることを家族で話し合う
  2. 注文住宅の建築資金の準備を検討する
  3. どんな家に住みたいか家族で話し合う
  4. 家づくりについて勉強する
  5. 注文住宅の進め方の方針を決める
  6. 土地探しを始める
  7. 建築会社(工務店)・ハウスメーカー・設計事務所にプランと概算見積りを提案してもらう
  8. 提案されたプランと見積りを比較検討&家族で話し合い
  9. 発注先を絞ってプランと見積りを再依頼する
  10. 発注先を決めたら請負契約と手付金の支払い
  11. 詳細プランを決める
  12. 着工
  13. 建築中の検査と確認(中間金の支払い)
  14. 完成と施主検査(完成検査)
  15. 引渡しと決済

全体の流れは以上のようになりますが、これだけでは何をするのかイメージしづらいでしょう。上であげたそれぞれの項目について具体的な内容とそれぞれの基本的な注意点を以下で説明します。

1-1.家を建てることを家族で話し合う

最初にすべきことは家族での話し合いです。基本的には、建築する家に一緒に住む人たちすべてが話し合う対象となります。両親と同居するならば、その両親ともきちんと話し合うべきですし、夫婦間でも住まいに対する想い、考えを話し合って、意思疎通をしておきましょう。

このときに話し合うべきテーマは、建築時期(入居時期)、間取り、土地、予算です。但し、後から大幅な計画変更になることも多いですから、この時点であまり詳細に突っ込んで話し合いすぎてもあまり意味はありません。そして、何よりも早い段階で家づくりに疲れてしまいます。

この初期段階では、上にあげたテーマについてざっくりと話し合うにとどめておくことがポイントです。

ここでは、一緒に住む家族全員と話し合うこと、ざっくりと話し合うにとどめておくことが大事な注意点です。

1-2.注文住宅の建築資金の準備を検討する

注文住宅を建てることについて家族の概ねの合意が得られ、ある程度のイメージを共有できれば、次に建築資金について具体的に検討してください。ここでは、具体的にどれくらいの資金を住宅に投じることができるか検討した方がよいでしょう。

もちろん、土地も購入するならば、土地購入費用と建築資金の両方について検討しなければなりません。諸費用や引越し代などもかかりますから、多めに見積もっておきたいところです。

自分たちで用意できる自己資金のほか、両親からの資金援助、金融機関からの融資額について考えましょう。融資額は自分たちだけではわかりづらいでしょうから、とりあえず世帯年収の5~6倍程度を目安にしておきましょう(年収・年齢等の条件によって適正は異なる)。

いろいろな金融機関のサイトなで借入可能額を簡単に算出してくれるコーナーがありますが、これを利用すると驚くほど大きな融資額が可能な結果が表示されます。しかし、それが適正な借入金額かといえばそうとは思えない額が多いです。ここでは、参考として世帯年収の5~6倍程度を目安にしておくことをお奨めします。

家族で話し合う

1-3.どんな家に住みたいか家族で話し合う

建築資金について検討した後は、どのような家に住みたいのかしっかり検討することです。例えば、部屋数はいくつ必要か、どれくらいの広さが必要か、どんな庭にしたいか、リビングは1階がよいか明るい2階の方がよいか、キッチンからリビングは見渡せるほうがよいか独立したキッチンが良いかといったことを考えるのです。

他にも、外観や内装のイメージはどのようなイメージがよいか(好みの問題)も考えてみましょう。ナチュラルなものが好きか、シックに仕上げたいか、リゾート風がよいか、純和風がよいかといったイメージです。

こういったことを同居する家族それぞれが箇条書き形式で書き出してみるとよいでしょう。最初に書き出してみるときは、家族で相談しながらではなく、それぞれの個人的な理想を挙げてみるとよいでしょう。最初から話し合いながらリスト化していくと意見が偏ってしまって幅広いアイデアが出てこないことがあるからです。

それぞれの理想をリスト化したら、それをお互いに出して意見や理想を話し合ってみましょう(喧嘩しないように)。

1-4.家づくりについて勉強する

家を建てるという作業はなかなか大変です。大変にさせるのは、専門知識や経験に欠けるからですが、それは仕方ないことです。できれば、楽しみながら焦らずに進めてほしいものです。

ただ、多少の努力は必要です。今、この記事を読んでいるということは家づくりの流れや基本的なことを知りたいと考えているからだろうと思いますが、その調子で勉強することです。もちろん、プロフェッショナルになる必要はありませんが、基礎的な知識をつけておくことは、適切な判断をしていく上で大切なことです。

ぜひ、この「住むプロ」に書かれている記事を読んで学んでください。

1-5.注文住宅の進め方の方針を決める

注文住宅の建て方、進め方などについて多少の知識をつけたら、次は進め方について方針を決めなければなりません。注文住宅を建てるときは、最初にどの種類の会社と接点を持って進めていくのかで手順が異なってくるのです。

大きくわけると以下の3つのパターンがありますので、そこから選ぶ必要があるのです。

  • ハウスメーカー
  • 建築会社(工務店)
  • 設計事務所(建築家)

注文住宅で家を建てるといえば、まずはハウスメーカーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ハウスメーカーは、プランの提案・見積りから設計・建築工事まで全てを取りまとめて進めていくものです。施主にとっては楽ではありますが、プランや使用する材料・設備に関しては制限が多く、他のパターンに比べて理想の家を実現しづらいというデメリットがあります。

ハウスメーカーも横並びではないので、そのなかでも高級志向でいくか、ローコスト志向でいこうかという判断も必要です。

建築会社(工務店)は多くの細かな要望に応えてくれる点や大手ハウスメーカーよりも価格が安い点がメリットですが、プランの提案能力がない会社が多いです。よって、社内に設計者を抱えていて、その人にプランの提案能力があるかどうかが業者選びのポイントです。

設計事務所(建築家)ですが、こちらも建築会社(工務店)と同じく細かな要望に応えてくれる点や価格の面で大手ハウスメーカーよりメリットがあります。細かな要望に応え、オリジナリティ、デザイン性の高い住宅を建てたいときは、最初に設計事務所(建築家)に依頼するパターンが有効なことが多いです。

また、建築会社(工務店)と設計事務所(建築家)の両方と進めるパターンもあります。建築会社(工務店)が付き合いのある外部の設計事務所(建築家)を施主に紹介してプランの提案等を任せる流れです。

本サイトの「業者選び(※要リンク)」コーナーの記事が参考になりますから、読んでみてください。

1-6.土地探しを始める

土地を持っていない人は、このタイミングあたりで土地探しに向けて動き始めなければなりません。土地探しは、不動産会社に依頼して物件を紹介してもらうことが一般的な方法ですが、1社だけに頼らずに複数の業者に依頼することが大事な注意点です。

注文住宅のための土地探しのコツと失敗しない探し方」が土地探しに役立ちますので、読んでおきましょう。

1-7.建築会社(工務店)・ハウスメーカー・設計事務所にプランと概算見積りを提案してもらう

前述の「1-5.注文住宅の進め方の方針を決める」で選んだ方針に従って、建築会社(工務店)、ハウスメーカー、設計事務所のいずれかに対して、住まいに対する要望や条件を伝えてラフプランと概算見積りを提案してもらいましょう。

このとき、最初から1社に絞って提案してもらうのではなく、複数の会社に依頼しておくべきです。1社を指名で依頼してしまうといろいろなプランを見比べて考えることができないうえに、相見積もりにならないので高くなりがちです。

よく友人や友人の紹介だからと1社指名で依頼することがありますが、高額な見積りを提示されてしまい相談に来る人がいます。友人の紹介であっても、比較対象として複数業者の検討はすべきであり、これも大事な注意点です。

住宅のラフプランと見積り

1-8.提案されたプランと見積りを比較検討&家族で話し合い

ラフプランが提案されたら、その見積り金額も合わせて家族で内容を検討し、しっかり話し合いましょう。提案内容を見てから、家族内で住まいへの要望について変化が出てくることはよくあることですから、それは特に気にすることはありません。

このラフプランと見積りをたたき台に、もう一度よく話し合うべき時だと割り切ることが大切です。ここは時間をかけてもよいところでしょう。

1-9.発注先を絞ってプランと見積りを再依頼する

前述の「1-8.提案されたプランと見積りを比較検討&家族で話し合い」の後、考えをまとめなおしてから、発注候補の会社(建築会社、ハウスメーカー、設計事務所)に対してプランの再提案を依頼してください。

この流れを繰り返す流れのなかで、発注先の候補を絞っていくとよいでしょう。最終的には、詳細見積りと提案されたプランをよく検討した上でどこに依頼するか決めてください。

提案される間取りなどが気に入らないときは、「注文住宅・リノベーションの間取り相談」を、見積り金額が心配なときは「注文住宅(家づくり)の見積りチェック・相談」をご利用ください。大事なことですから、契約前に利用すべきなので注意しましょう。

1-10.発注先を決めたら請負契約と手付金の支払い

発注先を決めたらその会社と契約です。ハウスメーカーや建築会社(工務店)とは建築工事請負契約を締結します。設計事務所とは設計委託契約を締結します。契約時には手付金を支払うことになりますから、資金準備もしておきましょう。

請負契約と設計契約

1-11.詳細プランを決める

契約後には、プランの詳細について打合せを重ねて決めていく作業に入ることが多いです。契約前に詳細を全て取り決めている場合は、この作業はありませんが、多くの場合は契約後に詳細の打合せを行っています。

何度か打合せの機会をとり、プランの詳細を決めていくのですが、住宅展示場や設備・建材メーカーのショールームを見学することが多いのもこの時期です。時間と労力を必要とするところですが、根気よく楽しみながら進めるようにしてください。

1-12.着工

詳細プランが決まればいよいよ着工です。着工前に地鎮祭をする人はその手配を建築会社などの発注先に相談しましょう。多くの場合は紹介してもらえます。

着工前には全体スケジュールをよく確認しておくことが大切です。着工日・上棟日・完成日・引渡し日といった基本的なスケジュールはもちろんですが、工程表をもらって各工事のスケジュールがどのようになっているのか確認することも大事です。

1-13.建築中の検査と確認(中間金の支払い)

建築途中では、予定通り遅れずに工事が進んでいるのか確認しなければなりません。着工後は、現場に一切関与せずに放置するという施主もいますが、工程の進捗くらいは確認すべきです。

本来ならば、そういったことは建築会社の方から方向があるべきなのですが、担当者によってはそういった報告をしないこともあります。そして、完成予定日が近づいてから「実は工事がかなり遅れております」と報告を受けるものですから、予定が狂うということは多いです。

また、建築中の工事が適切に実施されているかどうかチェックすることも大切なことです。自分の家が欠陥住宅になってしまっては大変ですね。建築会社側が利用する検査機関が入っているはずですが、これは細かな点まで検査しているわけではないので、自分で第三者検査を入れることも考えましょう。

ちなみに、上棟時などに中間金を支払う契約としていることもありますから、取引条件を確認しておきましょう。

建築中の注文住宅

1-14.完成と施主検査(完成検査)

建物が完成すれば、完成状態を施主がチェックしなければなりません。これを施主検査と言いますが、建築の専門知識がないだけに自分で検査するのは難しく、結局、建築会社や設計者に見てもらう形になりがちです。

建築会社によっては自社検査が甘くて、本来ならば補修すべき点を施主にきちんと報告せずにスルーしてしまうこともあるため、施主検査への立会いを第三者の専門家に依頼することも考えるとよいでしょう。

1-15.引渡しと決済

施主検査で指摘したことを補修してもらい、その補修後の確認も終えれば、遂に引渡しです。その引渡し時に残代金を支払いますので、前もって資金準備しておきましょう。融資を受ける人は、このタイミングで融資実行します。

引渡しが無事に完了すれば、施主の都合のよい日に引越しですね。

2.見積りチェック・業者選びは専門家のサポートを有効活用

注文住宅を建てる流れは前述の通りですが、読んでみていかがでしょうか。こんなにたくさんのことを進めるのは大変だと感じた人も少なくないでしょう。しかし、ここでは大きな流れと基本的な注意点を挙げただけであり、細かく見ていけば他にもいろいろな手続きがあるものです。

注文住宅を建てるという作業は、なかなか大変かもしれませんが、投資金額が大きいだけに失敗するわけにもいきません。

そこで、大事な点は第三者の専門家にサポートを受けながら進めることも考えるとよいでしょう。見積り比較・業者選び・建築中の検査等は専門家のサポートを有効活用しやすいところでもあります。利害関係のある建築会社やハウスメーカーの説明だけでは知らずに損していることは多いですから、注意しましょう。

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