建築用地(新築するための宅地)を確保していない人にとって、注文住宅の新築を目指す上で大きな障壁となるのは土地探しです。しばらく土地探しをしていて条件にあった物件を見つけられない人から、土地探しに疲れたという声をきくこともあります。
家づくりには多大なエネルギーが必要なことが多いですから、土地探しの段階で疲れていては先が思いやられますね。注文住宅の新築で失敗しないための土地探しの方法について、誰に探してもらうか、どのような物件を狙うかといったポイントを紹介します。
1.土地探しの方法(誰に探してもらうか)
土地探しを誰に任せるかは大変重要なことです。ハウスメーカーや不動産会社から物件の紹介を受けることが多いですが、それぞれの特徴について解説します。
1-1.ハウスメーカー(建築会社)の紹介で探す
建築予定地を確保していない段階で住宅展示場へ行くと、ハウスメーカー(建築会社)から土地情報を提供してもらう流れになることがあります。ハウスメーカーが自社の不動産部門や関連会社から土地情報を提供してもらって紹介することもありますし、ハウスメーカーから不動産会社を紹介してもらい、その不動産会社から土地情報を提供してもらうこともあります。
ハウスメーカーやその関連会社が得てくる情報は、限定的なものであることが多いですから、これだけに頼ると土地探しは難航することが多くなります。
1-2.希望エリアにある不動産業者に依頼する
ハウスメーカー(建築会社)に頼るよりも、地域に根差した不動産会社に土地探しを依頼した方が良いことは多いです。建築を希望する地域が絞れているのであれば、その地域で積極的に営業活動をしている不動産会社に依頼することを考えましょう。
それも1社に限定する必要はありません。複数の不動産会社に依頼することを強くお勧めします。
1-3.不動産ポータルサイト等をまめにチェックする
不動産ポータルサイトで物件情報をチェックする人は多いですが、土地探しもそういったサイトを積極的に活用しましょう。売却開始直後に購入希望者が現れることもありますから、マメにチェックしておくことが大事です。
広範囲で探しているときには便利ですが、地域を限定しているときには、ポータルサイトのみではなく、その地域で営業している不動産会社のサイトもチェックしておくとよいでしょう。
1-4.あらゆる手段を活用する
土地探しに疲れたという人は多いですが、それはあらゆる方法で頑張って探したものの見つからない人から聞く言葉です。しかし、このあらゆる方法を試すことは大事です。ハウスメーカーだけに任せていても、なかなか話が進みづらいです。
ハウスメーカーにも地域の不動産会社にも依頼しつつ、インターネットの物件情報サイトも確認するようにしましょう。
不動産会社は、土地に関わらず不動産の売却情報があれば、積極的に他社(他の不動産会社)に物件情報を提供しようとはせず、自社単独で売却しようとすることも多いです。その理由は、売主からも買主からも仲介手数料を得るためです。
よって、その地域の主だった不動産会社の何社かに依頼しておかないと、土地情報が入ってこないことも少なくないのです。
2.どのような土地を探すか
土地といっても、いろいろな形態で売却されているため、それを理解しておく必要はあるでしょう。主だった土地情報の拾い出し方などについて説明します。
2-1.更地・古家付き土地を探す
最もシンプルでわかりやすい土地の売却情報は、更地ですね。何も建築されていない土地なのですが、現況では駐車場などになっていることもあります。また、更地ではないものの、非常に古い建物がある物件を古家付き土地として売り出していることもあります。
不動産会社などに注文住宅のための土地探しだと伝えれば、更地や古家付き土地を主として探す不動産会社が多いです。
2-2.築年数の古い中古住宅を探す
土地探しが上手く進まないときには、やや築年数が経過して古くなった中古住宅を検討対象とすることもあります。例えば、築30年の中古住宅であれば、まだ十分に居住できることも多いですが、理想の家づくりをするため、まだ居住できる住宅を取り壊して建て替えしようとする人もいます。
勿体ないという人が多いものの、考え方次第では選択肢に入ってくる人もいるでしょう。但し、そういった物件には建物の価格も載っているため、更地と比べた場合には割高になっていることもあります。
2-3.建築条件付き土地の条件外しを狙う
土地探しや建売住宅の売却物件情報を見ていくと、建築条件付き土地という物件があることに気づくことでしょう。その土地の売主もしくは売主が指定する企業にて、建築することが義務付けられているものですが、あまり設計の自由度がないこともあります。
この建築条件を外すことができれば、施主にとってメリットがありますから、不動産会社と交渉される人もいます。但し、建物工事による利益分を土地価格に上乗せすることが条件となっていることが多く、個々の条件を確認してから考えたいものです。
条件を外したいなら、「建築条件付き土地の条件を外す方法」を参考にしてください。
建築条件付き土地を探すならば、「建築条件付き土地で注文住宅を建てるときの注意点」も参考にしてください。
2-4.未着工の建売住宅を売主と交渉する
これまでに聞いている話のなかには、建売住宅として売り出している物件について、土地だけを売ってほしいと交渉したという人の話があります。但し、着工する前の住宅でした。工事に着手する前に土地のみで売ってもらえないか、売主(不動産会社)への交渉したのです。
そして、見事に交渉を成立させたケースがありますから、検討してはいかがでしょうか。
3.条件を変更する
どうしても希望する土地が見つからない場合には、思い切って方向性を再検討すべきということもあります。今回はそういった内容について紹介します。
3-1.希望エリアを変更する
希望するエリアを限定している場合、地域によってはなかなか物件情報が無いことも多いです。エリアの変更や希望エリアの拡大も考えてみるとよいでしょう。
郊外の宅地であれば、比較的に見つけやすくなりますから検討してもよいでしょう。
3-2.中古住宅のリノベーションを検討する
こだわりのある住宅を希望するならば、新築に限定せず、中古住宅のリノベーションを検討してはいかがでしょうか。中古物件ならば良い立地で探すことができるので、お勧めの方法です。
希望エリアが都会であるならば、中古住宅を探すことは土地探しよりも早いことが多いでしょう。
3-3.建売住宅やマンションを検討する
注文住宅のための土地探しだったはずが、建築条件付き土地を購入する人や建売住宅の購入検討に希望が変わっているケースもあります。また、全く異なる新築マンションを契約する人もいます。
なぜ、最初に一戸建ての新築を検討したのかよく考えて、建売やマンションでも妥協できるのであれば検討してもよいでしょう。
ここまで見てきたように、土地探しは誰に依頼するかということと、対象物件の見直しのことも真剣に考えてみることの両方が大切です。