マイホーム購入は、一生で一番高い買い物。
誰だって「少しでも安く買いたい」、と思うのが人の心です。
しかし建売住宅の値引交渉には独特のルールがあり、コツを押さえるのが大切です。
では、建売住宅の値引の相場はいくらで、いつ、どのように値引き交渉をすべきでしょうか?
【この記事で分かること】
- 建売住宅の値引の相場
- 値引き交渉のタイミング
- 値引き交渉のポイント
- 値引き以外で、建売住宅を安く買う方法
本命の建売住宅の値引交渉で失敗しないよう、しっかり事前知識を身につけてくださいね。
建売住宅の値引きはできる?相場はいくら?
まず知っておきたいのが、建売住宅の価格のルール。
これを知らずに値引き交渉はできません。
建売住宅の価格は、「需要と供給のバランス」で調整される。
建売住宅の価格は、「需要と供給のバランスで決まる」、と思って頂いて間違いありません。
それは建売住宅は土地付きで販売するので、その土地が「人気エリアか?」によって価格が変わるからです。
- 見学者の多い人気物件 → 高くても売れる。価格を下げなくても売れる。
- 見学者の少ない物件 → 高いと売れない。段階的に値段を下げていく。
見学者がたえない人気エリアの物件では、わざわざ価格を下げなくても売れます。
ですので、値引き交渉は基本的にできません。
しかし見学者の少ない物件では、当初の価格ではすぐに売れない場合があります。
このときハウスメーカー(売主)は、価格を段階的に下げていきます。見学者の少ない物件では、値引きできるチャンスです。
建売住宅の値引は、「端数」が交渉しやすい。
建売住宅の値引の相場は、かなり幅が広いです。
それは前述のとおり、建売住宅の価格は人気エリアの影響を受けるからです。
人気エリアの物件は値引きが期待できない一方で、不人気エリアの建売住宅では大幅な値引きも期待できます。(ハウスメーカー独自の価格引き下げ含む)
建売住宅の値引の相場として一概には言えないものの、一般的に目安と言われるのが「端数」です。
例)
値引き前 | 値引き後 | 値引額 |
2780万円 | 2700万円 | 80万円 |
3240万円 | 3200万円 | 40万円 |
ハウスメーカーも、「端数は値引きの想定内」と考えていることも多いです。
値引き交渉しやすいタイミングはいつ?
人気エリア・不人気エリアに関わらず、建売住宅の値引交渉しやすいタイミングは決まっています。
【建売住宅の値引交渉しやすいタイミング】
- 建物がすでに完成している。
- 建物が完成して、もうすぐ1年がすぎる。
- ハウスメーカーの決算月(パワービルダー)
あまり早いタイミング(分譲開始直後)では、値引き交渉は難しいでしょう。
1・建物が完成している物件。
建物が完成するまでは名実ともに「新築」といえます。
しかし建物が完成してしまうと、日を追うごとに「新築」から離れていきます。
雨風で汚れ(劣化)ますので、維持管理も大変です。
ハウスメーカーは建物が完成したら、なるべく早く売ってしまいたいもの。
そのため値引き交渉にも応じやすくなります。
2・建物が完成して、もうすぐ1年がすぎる物件
建売住宅は完成して1年がすぎると、「新築」と言えなくなります。
1年がすぎた物件は「未入居物件」と呼ばれ、新築ではなく中古物件の扱いになります。
「新築」のブランドイメージが使えないほかにも、
- 新築に適用される「瑕疵保険」が適用されない。(特約扱い)
- ハウスメーカーのアフターサービス(新築向けの保証)が受けられない。
などのデメリットがあります。
そのため未入居物件となるとますます売りにくいため、ハウスメーカーは急いで買主を探します。
このタイミングで値引き交渉をもちかけると、大幅値引きも期待できます。
3・ハウスメーカーの決算時期。
またハウスメーカーの決算時期も、値引きのタイミングです。
とくにパワービルダーの建売住宅に多く、「決算の月に決済してくれるのなら・・・」という理由で、値引き成功できたケースもあります。
パワービルダーの大手「飯田産業」の決算は3月なので、購入のタイミングが重なるなら、値引きを狙ってみる価値アリです。
建売住宅の値引き交渉のポイント。
建売住宅の値引交渉、すごく緊張しませんか?
ですが、大丈夫です。
ハウスメーカー(不動産会社)に値引き交渉を持ちかけるときは、次のポイントを押さえましょう。
「値引きしてくれたら、即決します。」
もっともシンプルで手堅く値引きが引き出せる交渉は、
「○○万円値引きしてくれたら、即決します。」
「○○万円値引きしてくれたら、ほかの物件は見ません。」
と伝えることです。
具体的な値引き額を提示した上で、その見返り(メリット)を約束します。
値引き「交渉」とは、トレードオフの関係で、
「○○してくれたら、○○します。」
というのが交渉の基本。
建売住宅の値引交渉も同じで、「値引きしてくれたら、買います」と相手側にメリットを伝えることが大切です。
「いくら値引きできますか?」
という質問だけでは、相手に何もメリットがないので、本気の値引は引き出せません。
相場以上の値引を求めない。
また値引額を提示するとき、相場以上の値引を求めるのはNGです。
なぜなら相場以上の値引交渉は、検討すらされないからです。
それどころか、「ほかの顧客を探した方がいい」と思われ、相手にされなくなってしまいます。
ですので、値引き交渉は相場を大切にしましょう。
- 人気エリアか?
- 建物が完成してどれくらい経つか?
- 未入居物件か?
これらを考慮して、値引き額を提示します。
「相場が分からない・・・」ということであれば、端数の値引交渉が手堅いところです。
値引きだけじゃない!建売住宅を安く買う方法
建売住宅を安く買う方法は、値引き交渉だけではありません。
次の2つの方法を使うことで安く買えるので、忘れずに実行してみましょう。
ハウスメーカーから直接購入する。
とくにパワービルダーの建売住宅ですと、ハウスメーカーが直接販売していることも多いです。
ハウスメーカーから直接買うことで、仲介手数料をカットできます。
仲介手数料は、物件価格の「3%+6万円」である不動産会社が多いです。
計算例)
物件価格3,000万円 × 3% +6万円 = 96万円
ハウスメーカーからの直接購入は、96万円もの値引きに成功したようなもの。
検討している建売住宅がどんなルートで購入できるのか、一度調べてみましょう。
住宅ローンの金利
建売住宅の値引とあわせて軽視できないのが、住宅ローンの金利です。
「どこの銀行から住宅ローンを借りるか?」によって、月々の返済額は大きく変わります。
通常、建売住宅を購入するときに、ハウスメーカー(不動産会社)の提携銀行を紹介されます。
しかしその多くは地方銀行であることが多く、金利は高めです。
金利の低いネット銀行と比較すると、倍近い金利になっていることもあります。
建売住宅の購入時に、提携銀行から住宅ローンを借りる必要はありません。
自分で金利の低い住宅ローンを探し、独自に契約していいのです。
値引き交渉とあわせて、金利の低い住宅ローンを契約しましょう。
まとめ:値引き交渉は、建物が完成した物件が狙い目。
何千万もする建売住宅。多くの方が値引き交渉を考えます。
建売住宅を値引き交渉するときは、次のポイントを押さえてみてください。
- 建物が完成した物件は、値引きしやすい。
- 完成後、1年がすぎる物件は大幅値引きが期待できる。(未入居物件)
- 値引きの相場は、人気エリアか?によって変わる。
- 端数の値引は成功しやすい。
- パワービルダーの建売住宅は、決算月も狙い目。
また値引き交渉だけでなく、仲介手数料・住宅ローンの金利も忘れずにチェックしてくださいね。
ぜひ値引き交渉を成功させて、賢くマイホームを手に入れましょう。