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建築業者がよくやる見積り金額の誤魔化し方

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建築業者がよくやる見積り金額の誤魔化し方

注文住宅の新築や自宅のリフォーム、リノベーションを行うときは、建築業者に見積りを出してもらってから、その見積り内容をチェックすることになりますが、どういったところに気をつけて見積書を見ればよいかわかりますか?

建築業者がよくやる見積り金額の誤魔化し方というものがありますから、それを理解しておけば、見積り書もチェックしやすくなりますね。ここでは、やくある誤魔化し方を解説します。

1.非常に多い見積り金額の誤魔化し方

多くの見積書をチェックしてきましたが、いろいろな方法で施主に対して誤魔化しを図ることがありました。その中でもよくあることを最初にお伝えしておきます。

1-1.一式○○円の見積もりは誤魔化しやすい

見積書では一式表示に気を付けようとよく言われています。見積書の数量や単位の欄が明確に書かれず、一式○○円となっていると注意しなければなりません。但し、項目によっては、一式表示とせざるを得ないものもあります。

例えば、壁クロスの一式表示であれば、工事金額を誤魔化そうとしている可能性が高いです。壁や床、天井、外壁などは面積で計算することができますから、「数量 35㎡」「単価 1180円/㎡」などと表示されなければなりません。

数量や単価のわからない一式表示では、どこまでが工事範囲なのか確認することも難しいことがあり、トラブルになりやすいです。

1-2.単価や数量を割り増しする

次に紹介するのは単価や数量の割り増しです。一式表示ではなく、単価や数量をきちんと明記していること自体はよいのですが、その数値を割り増しする手法があります。

数量の割り増しとは、実際の面積よりも少し大きめの面積としたり、実際に必要な量より多めの量としたりすることです。

例えば、床面積が24㎡のリビングなのに27㎡だとすることで、工事金額がアップしてしまいますね。新築住宅ならば、全ての床面積を足していくことでずれに気づくことがありますが、リフォームのときには工事対象箇所の面積しか表示されないため、気づかないことが多いです。

また、新築であっても一般の施主が壁の面積を把握していることはないため、誤魔化されていても気づかないでしょう。

もう1つが単価の割り増しです。こちらは、なかなか微妙なところがあり、割り増しが相当に課題でもない限り見破るのは簡単ではありません。

壁クロスの材料代の単価を割り増しすれば、その面積分だけ高くなるのはわかりますね。しかし、その材料をその建築業者がいくらで仕入れているか知ることはできません。また、仕入れ価格にいくらかの利益を上乗せすることが多いですが、それが市場相場に比べて高いかどうかまで判断することはあまりに難しいことです。

わかりづらいということは、つまり誤魔化しやすいということでもあります。数量よりも単価で誤魔化す方が施主にばれないと考えている建築業者は多いでしょう。

1-3.材料・商品の品番を書かない

使用する材料・商品の商品名や品番を明記せずに、廉価版の商品を使用するということもあります。もしくは、見積りでは高級品と同等の金額でありながら普及品を使用することもあります。

建築工事請負契約を締結した後に、「この金額ならこの商品になりますよ」とサンプルを提示され、失敗したと感じる人もいます。見積り書の提示の際に具体的な品番やサンプルの確認を怠らないようにしましょう。

1-4.別途工事で後出しの見積書で高額請求する

工事費の誤魔化し方にもいろいろありますが、見積書に記載している内容で誤魔化すとは限りません。逆に見積書に必要なことを載せないことで誤魔化そうとすることもあります。

その方法が別途工事の費用を後から提示する方法です。

見積書の内容を確認して金額に納得して工事請負契約書にサインします。その工事が始まってから、別途工事をどうするのか施主に聞いてくるのです。

「外構のフェンスはどうしますか?」「勝手口の庇は必要ですか?」「網戸や雨戸はどうしますか?」「トイレの換気扇は付けますか?」などといった具合です。

これに対して、「え!?契約に含まれていますよね?」と言っても後の祭りです。見積書にも載ってないと言われて、別途工事だから必要な追加費用がかかると言われてしまうのです。住宅の新築やリノベーションではよくある見積り関係の失敗例です。

しかも、そのような建築業者は信用できないと思っても、工事も始まっており、今更、業者を変更することもできません。外構ぐらいなら別の業者に依頼することもできますが、建物本体に関する工事となれば、現実的にはその建築業者へ追加発注するしかありません。

そうなれば、足元を見て高額な見積りを提示してくることも少なくありません。最初の請負契約前ならば交渉力のあった施主も、この段階では交渉力を発揮できず、高額な追加見積りで契約してしまうこともあるのです。建築業者の言い値ですね。

2.工賃や材料費以外の項目で誤魔化しもある

建築業者も様々な工夫をして見積り金額を誤魔化すことがありますが、ここでは材料費や工賃(職人等の人件費)以外の項目について事例をあげておきます。

2-1.運搬費で見積りをかさ上げ

建築材料などを運搬するための費用が見積書に計上されていることがありますが、一般運搬費とは別に場外運搬費や資材場内小運搬費などと重複する項目を記載していることがあります。名称を変えてもっともらしい項目を入れているようなのですが、そういったものは怪しいです。

似たような項目があれば、それぞれが何のための費用であり、どれだけの作業を要するのか質問してください。

2-2.一般管理費と現場管理費で見積りを引き上げる

見積書には管理費のような項目があがっていることがよくあります。本社経費(事務等に要する費用)と考えられる一般管理費や現場作業の管理経費である現場管理費がありますが、小さな工務店では担当がわかれているわけでもなく、それほど細かく管理業務をしていないことも多いです。

しかし、見積書では一般管理費と現場管理費をあげて、それぞれで費用を計上していることがあります。実態に合ったものであるかどうか、確認しておきたい項目です。

他にも、仮設費、クレーム対策費、警備費などの項目で、実態に合わない経費を請求されていることがあります。とにかく、項目を増やして水増ししようという意図のものもありますから注意が必要です。

2-3.経費の割引は交渉材料

運搬費や一般管理費などは、よく施主から建築業者に対して値引き交渉で対象とされる項目です。それをわかっているだけに、そういった項目は予め高めの見積りを提示しておき、値引きに応じたように見せかかる方法もあります。

例えば、「では本社経費分はお客様とは、これから長くお付き合いしたいので半額にします」などと説明されるのですが、実質的には値引きしていないわけです。

3.その他の見積り金額の誤魔化し方

これまでに紹介していない見積り金額の誤魔化し方も紹介しておきましょう。

3-1.税別金額に要注意

これは施主側がよく気をつけておけばわかることなのですが、税別金額で表示されているのみで税込金額を把握していない場合です。相見積もりで他社と比較したときに、安く見えるのですが、消費税の割合を考えれば影響は大きいですね。

3-2.項目を減らしたシンプルな見積書に注意

工事項目を増やすことで割り増しするケースがあることを既に挙げていますが、逆に項目を減らして少なくすることで誤魔化すケースもあります。項目分けをしていない見積書は何にいくらの費用がかかっているかわからないため、高いかどうか判断しづらいのです。

シンプルで簡単に読めてしまう見積書には要注意ということです。

3-3.材料と工賃(人工)を分ける

建築業者によって見積書の書き方にはそれぞれの癖があります。材料代と工賃を1つの項目で表示することもあれば、材料と工賃を分けてそれぞれの金額を表示することもあります。

材料と工賃を分けて表示すること自体はチェックしやすくてよいのですが、その際、材料代は安く見せておいて、工賃(人工代・工事費)をかなり高くしていることもありました。そのケースでは、材料は項目を分けて詳細に見積りを出しているのですが、工事費は様々な工程の工事を一式でまとめて表示していました。こういったやり方にも要注意です。

また、コーナー部や取り合いなどの面倒な箇所については、高めの工賃で見積もっていることもあります。それも度が過ぎる金額であれば、誤魔化しと判断されても仕方ないですね。

3-4.割引の仕方にも注意

新築住宅でもリノベーションやリフォームでも、一般的に最初に提示された見積り金額から割引があるものです。その割引金額の表示の仕方にも注目したいところです。

材料代について、項目ごとに割引額が記載されているようであれば、丁寧なものです。しかし、総額からの割引額をまとめて記載しているのみであれば、実はそれほどの割引ではないにも関わらず、慣れていない施主としては割引額が大きいように感じやすいようです。

4.新築やリフォームの見積りで誤魔化さないための対策

ここまでに、よくある誤魔化し方を紹介してきましたが、施主の立場としてはどのように注意し対策を取ればよいのでしょうか。ここでは、それを解説します。

4-1.時間をかけて見積書をチェックする

見積り内容で建築業者に騙されないためには、時間をかけてじっくり見積書をチェックすることが、最も基本的な対策法です。

見積りを提示されてからすぐに返事をせず、じっくりチェックし検討してから契約するかどうか返答すべきです。重複項目はわざとではなく、本当にミスで記載してしまっていることもありますから、きちんとチェックしたいものです。

4-2.相見積もりをとって比較する

見積書のチェックにいくら時間をかけてもわからないことも多いでしょう。知識と経験がものを言うところがありますから当然のことです。

そこで大事なのは相見積もりです。複数の建築業者に同じような条件・仕様で見積りしてもらい、それを比較するのです。金額のかい離が大きいようであれば、それは怪しいということがわかります。必要な項目をあげておらず、後から追加工事を提案することもありますから、安ければよいというわけではありませんので、注意しましょう。

相見積もりとは工事規模にもよりますが、最低でも3社は必要ですね。

4-3.第三者の専門家に見積書をチェックしてもらう

もう1つの効果的な対策方法は第三者による見積りチェックサービスです。専門家の力を借りるには多少の費用がかかるものの、リスクの大きさを考えれば、良い選択肢とも言えます。

見積書を見てもらって、率直な見解やアドバイスをもらうようにしましょう。

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