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はじめての住宅展示場の見学で後悔しないための注意点

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はじめての住宅展示場の見学で後悔しないための注意点

注文住宅で家を建てたい人が訪れる場所、それが住宅展示場ですね。住宅展示場には、多くのハウスメーカーがモデルハウスを建てており、効率よく何社もの住宅を見たり話を聞いたりできるイメージではないでしょうか。

まだ注文住宅のことを考え始めたばかりの人が、はじめて住宅展示場に行く前には行ってからいったい何をすればよいのか、何を見ればよいのかと戸惑うものです。今回は、初めて住宅展示場を訪れた人が、知識不足で誤解した家づくりをして後悔しないための注意点をまとめています。

1.はじめて住宅展示場(モデルハウス)へ行く人の目的

注文住宅を新築したい人の多くが住宅展示場へ行ってモデルハウスを見学しますが、展示場へ行く目的を整理しておいた方がよいでしょう。展示場ではいろいろなものを見たり、情報を得たりできますが、はじめての見学であるならば、以下の目的があるものです。

  1. 自分の予算で建てられる家を把握するため
  2. 家づくりの基礎知識を得るため
  3. 場慣れ

以上3点をもう少し詳しく説明しましょう。

1-1.自分の予算で建てられる家を把握するため

建築費に充当できる予算があると思いますが、その予算で建築できる住宅がどの程度のものであるか把握することが目的の1つです。はじめての家づくりであれば、予算に見合った家がどういったものかもわかりづらいのではないでしょうか。

各ハウスメーカーで自分たちの予算を伝えて、建築できるグレードや大きさについて確認するとよいでしょう。ハウスメーカーによって価格帯が異なりますから、1社か2社で聞いて予算不足だと感じても会社によっては可能な場合はあるものです。各社に相談するとよいでしょう。

1-2.家づくりの基礎知識を得るため

はじめて注文住宅を建てるならば、知らないことがあまりにも多いはずです。プランの検討、住宅ローンの手続き、契約、設計、着工、完成といった流れがどういったものか聞くとよいでしょう。こういった基礎知識は、書籍・雑誌、WEBでも情報収集が可能ですが、ハウスメーカーからも説明を受けておいた方が知識を得やすいでしょう。

1-3.場慣れ

実はこの場慣れも重要です。はじめての住宅展示場の見学で、必要な情報を全て収集することなどは絶対に無理なことですし、何度も見学する中で考えも固まっていくものです。知識、情報が増えていく中で自分たちに合った家づくりがスタートできるようになっていくのです。

はじめての見学時には、どうしても雰囲気にのまれてしまい、営業マンのペースになりがちです。「まずは、場慣れするんだ!」ぐらいの気持ちで見学してもよいでしょう。

2.はじめての住宅展示場、モデルハウスの見学で知っておくべき注意点

次に、住宅展示場やそのなかのモデルハウスを訪れる上での注意点をあげます。対象はあくまで初めての見学の人です。

2-1.時間には余裕をもっておく

住宅展示場には多くのハウスメーカーがモデルハウスを展示しています。その全てを一度で周ることはまずないと思いますが、3社程度に絞ったとしてもなかなか多くの時間を要するものです。半日以上の時間をかけてモデルハウスを見ていく人は多いです。

そして、それだけ多くの時間を割いてモデルハウスを見るのですから、疲れる作業でもあり、終わったころにはぐったりしているということもあるでしょう。はじめての見学のときは、慣れていないことばかりですから、体だけではなく頭も疲れ果ててしまう人は多いです。

はじめての住宅展示場では、多くても3社までとしておき、少し場慣れしてから、改めて他のモデルハウスを見学しに行くことをお勧めします。

2-2.インフォメーションセンター(総合案内窓口)を訪れる

最初に住宅展示場へ行ったときには、まずインフォメーションセンター(総合案内窓口)を訪れてください。そこには、展示場に関する情報がありますから、情報収集できます。

どこにどのハウスメーカーのモデルハウスがあるか記された案内図やその日のイベント(セミナーや相談会)の案内を入手できます。これを見てどの順番で回るのかざっくりと決めておきましょう。但し、あまり欲張って多くを見ようとしないことです。

2-3.住宅展示場のモデルハウスはグレードが高い

モデルハウスを順に見ていく前に知っておきたい基礎知識として、モデルハウスは一般的にグレードの高い住宅が展示されているということを知っておきましょう。

販売する側としては、多くの会社が展示しているという競争状態のなかですから、当然ながら他社よりもよく魅せたいと考えています。そのために、モデルハウスは見栄えが優先され、各社のラインアップのなかでもグレードの高いものを展示しているのです。

グレードの高いモデルハウスを見ながらハウスメーカーと打合せを進めていても、打合せている住宅は全く別規格の商品だということもあります。

なかには、複数等のモデルハウスを展示していることもありますが、その際はグレードの違いがわかりやすいでしょう。

2-4.美しくコーディネートされたインテリアに惑わされる

モデルハウスには様々なインテリアが置かれています。ソファやダイニングテーブル、ベッド、観葉植物などです。美しくコーディネートされたインテリアは、その住宅に対するイメージ、第1印象に強く影響することがあるため、各社が注力しているはずです。

インテリアが良い

そういったインテリアから受ける印象に惑わされることなく、住宅の規格・スペック・価格などの情報で比較検討するようにしましょう。

2-5.オプションをチェックする

モデルハウスには、様々なオプション商品が展示されています。内装や設備にはオプションが多いですから、注意深く確認してください。オプションであることがわかるように、シールが貼られていることも多いので、最初にシールの意味を聞いておくと勘違いせずに済みます。

但し、見た目のイメージはオプションがある状態に影響を受けていますから、冷静に考えられるようにしましょう。内装のオプションは影響力が強いです。

オプション仕様のチェック

もちろん、気に入ったオプションは最終的に発注することもあるわけですが、はじめての見学時点でも予算間隔を養うため、オプション仕様の金額を遠慮せずに確認するとよいです。標準仕様とオプション仕様でどれぐらいの価格差があるのか知ることも大事な作業です。

2-6.建物の延床面積が大きいため、広く感じる

住宅展示場にあるモデルハウスは、一般的に建築される住宅の延床面積よりも大きなものであることが多いです。もちろん、建物全体や各部屋が広く感じられ、見栄えのよいものにも感じられるでしょう。

実際には、土地の大きさやその他の敷地条件、さらには予算などによってもっと小さな住宅になることが多いですから、面積の相違があることは理解しておきましょう。

2-7.営業マンは買う気(家づくりへの本気度)を見ている

モデルハウスに入っていくと営業マンが出迎えてくれます。もちろん、にこやかな笑顔で出迎えてくれることでしょう。ただ、内心では「このお客様は、本気で注文住宅を建てようと考えているのだろうか」と思っています。「冷やかしの人なら、時間の無駄だ」「予算的にうちの住宅は無理かも」などとも考えています。

もちろん、「本気で家を建てる気ですか?」とストレートに質問してくることはありません。見学者の様子やアンケートに記載された条件を見て判断しているのです。

2-8.アンケートは断っても良い

モデルハウスを訪れるとアンケートへの記入を求められます。これは、各社が求めてくるものですから、訪れた件数だけ求められることになるでしょう。

そのアンケートには、氏名や連絡先のほかに、土地を持っているかどうか、自己資金、年収、建築にかける予算、建築時期などの項目があるはずです。これらの情報を見れば、お客様となりえるかどうかを判断できるので、予算的に全然厳しい人ならば、その後の営業はないでしょう。

ところで、このアンケートですが、記入して提出すれば、その後の営業があります。また、個人情報を提供するわけでもあります。よって、できればアンケートに回答したくないと考える人もいるのではないでしょうか。

アンケートへの回答は基本的には必須ではありません。アンケートを断ったからと言って、見学を断られることもありません。ですから、「まだ初めての見学で何も決まっていないので」などと伝えて、やんわりとお断りしてもよいでしょう。

2-9. 質問をたくさんして営業マンの対応の良否を確認する

実際に家づくりを進めていくなかで、担当の営業マンとは多くの時間を共有することになります。何度も打ち合わせしていくわけですから、相性が合わなければストレスの大きなものになります。また、残念ながら質の悪い営業マンもいますから、早い段階で見極めておきたいところです。

営業マンの対応

そのための有効な方法は、いくつかの質問をしてみることです。その質問のなかに、回答しやすい質問と一緒に、多くの営業マンが苦手としている税金のことも含めておくとよいでしょう。例えば以下のような質問です。

  • 「○○○社(ハウスメーカーの社名)の家の特徴は何ですか?」
  • 「はじめて見学に来たのですが、はじめての見学から契約までどれぐらいの時間をかけるものですか?」
  • 「家を建てた後の不動産取得税はどれぐらいかかるのですか?」

上のうち、自社の特徴はスラスラと回答できるでしょう。はじめての見学から契約までの時間も割と簡単な質問です(回答はばらつくと思いますが)。3つ目の税金については、すぐに回答できる人と確認してから回答するという人、そして曖昧な回答をする人にわかれることでしょう。

もちろん、曖昧な回答をする人が、一番注意したい人です。

2-10.キャンペーンだからといって申し込み(仮契約)しない

多くの建築費を投資することですから、多くの人が慎重に比較検討しながら、ハウスメーカー・工務店選びをしていくものです。しかし、なかには驚くほど速いスピードでどこに発注するかを決断する人もいます。その全てを否定するつもりはありませんが、早すぎる決断で後悔している人が多いのも事実です。

「今月末までに仮契約してもらえれば、総額から30万円の値引きがあります」「50万円分のオプションが無料になります」などとキャンペーン条件を提示されて、思わず仮契約書にサインしてしまったという人もいます。

こういったキャンペーンの影響で簡単に話を進めないよう注意してください。はじめての住宅展示場の見学なのに「申込してきました!」と聞いて驚かされたこともあります。

ちなみに、数十万円程度の値引きはキャンペーン中でなくともよくあることですから、予備知識として持っておきましょう。

2-11.ファイナンシャル・プランナーの相談を利用

はじめての見学時なら、まだ予算が定まっていない人も多いはずです。もしくは、予算を考えてはいたけど、本当にそれでよいのか判断が付かない人も多いでしょう。

住宅展示場へ行くとファイナンシャル・プランナーによる相談会が開かれていることも多いので、そういったサービスを利用するのもよいでしょう。展示場が主催しているケースもあれば、モデルハウスを展示しているハウスメーカーが主催していることもあります。

FP相談

但し、基本的には家を建ててほしいと考えている人側のファイナンシャル・プランナーですから、全面的には信用しない方がよいこともあります。ライフプランニングはちょっとした金額の操作で大きく結果が変わるからです。複数のファイナンシャル・プランナーへ相談して相談結果を比較すると参考になりやすいです。

3.住宅展示場(モデルハウス)でしても意味のないこと

住宅展示場の見学に同行してみると面白いシーンに遭遇することがあります。その人は真剣ですから、面白いといっては失礼なことですが、何か誤解しているからこその行動なのでしょう。そういった事例をあげておきます。

3-1.内装などの施工精度のチェック

家を建てるとき、その建物に欠陥や不具合があれば嫌なのは誰にとっても同じことです。未だに欠陥住宅問題があり続けることから、心配する人が多いのも当然でしょう。

そのハウスメーカーが欠陥住宅を建てないか、不具合だらけの家を建てないかという点を判断したいために、モデルハウスの施工精度を細かく確認している人がいました。クロスの継ぎ目が目立っていて内装の仕上げが雑だとか、この会社は丁寧だと夫婦で言っているのです。

住宅の施工精度は、個々の建物を担当する監理者、現場監督、下請け業者、職人、会社の体制によって決まるものです。同じ会社でも建物によって担当者が異なりますから、モデルハウスの施工精度があなたの家に反映されるわけではありません。

そもそも同じ下請け業者や職人などが担当になる可能性は非常に低いでしょう。

また、見学者に解説するために構造部の一部分を露出させて見えるようにしているモデルハウスもありますが、その構造部分の施工の良し悪しを確認しようとしている人もいました。これも意味がないですね。ハウスメーカーもわざわざ見学者に解説するために用意しているところで、手抜きなどしません。

3-2.間取りのチェック

次に、間取りや部屋の大きさなどをチェックしている人もいました。モデルハウスと全く同じプランで建築するのであればよいですが、そうする人はほとんどいないでしょう。部屋数や面積など基本的な条件が異なっているはずです。

モデルハウスの間取りの良し悪しをチェックして、動線が長すぎるとか、クローゼットが狭いとか言っても意味のないことです。もちろん、広さは自分たちの間取りを考える上で参考にすることはできます(8帖ならこれぐらいかと感じることができます)。

いかがでしょうか。これから、はじめて住宅展示場へ行くときの参考になればと思います。はじめは、「まずは場慣れしておくだけでいい」という考えで行くことをお勧めします。もちろん、絶対に仮契約書や申込書などにサインしないことです。

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