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予算オーバーした家づくりで建築費を削減する6つの方法と注意点

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予算オーバーした家づくりで建築費を削減する5つの方法と注意点

注文住宅の建築(家づくり)を進める過程で、工事見積書を見たとき、当初の予算をオーバーしているという人は非常に多いでしょう。予算オーバーは、家づくりをするほとんどの人が経験しているかもしれません。建築費用の削減を上手く考え、実行できるかどうかは家づくり(=新築住宅の建築)の成功、失敗に大きく影響することでしょう。

ここでは、その具体的な削減方法をご紹介します。

<予算オーバーした家づくりで建築費を削減する6つの方法>

  1. 基本的・抜本的な建築費用の削減方法
  2. 建物全体のコスト削減方法
  3. 仕様レベル(グレード)を下げる
  4. 数量を減らす
  5. コスト高なものを見直す
  6. その他のコスト削減方法

それでは、これら5つの方法を1つずつ確認していきましょう。

目次
  1. 1.基本的・抜本的な建築費用の削減方法
  2. 2.建物全体のコスト削減方法
  3. 3.仕様レベル(グレード)を下げる
  4. 4.数量を減らす
  5. 5.コスト高なものを見直す
  6. 6.その他のコスト削減方法
  7. 7.予算オーバー時の建築費削減に関する注意点

1.基本的・抜本的な建築費用の削減方法

どれぐらい予算をオーバーしてしまったのかにもよりますが、数百万円もの大幅な予算オーバーとなれば、抜本的な対策が必要となります。ここでご紹介する建築費の削減方法は、200万円以上のコストダウンが必要な人が検討すべきものです。

1-1.相見積もりをとる

新築注文住宅でもリノベーションでも、本来は相見積もりを取ってから発注先を検討すべきものです。意外と早い段階で1社に絞りすぎるなどして、相見積もりを有効活用できていない人が多いです。

そういった人ならば、工事内容の見直しをする前に他社で相見積もりをとって金額が下がらないか確認してみるとよいでしょう。

1-2.値引き交渉をする

発注先の建築会社(ハウスメーカーや工務店)に対して、そのプランのまま仕様レベルなどの条件も変えずに価格を下げてもらえないか交渉することです。建築会社や総額などの条件によっては、100万円単位で値下げすることも十分に考えられます。

前述した他社との相見積もりも上手に利用して合わせ技で交渉するとより効果的です。

1-3.建築会社を変更する

値引き交渉や相見積もりをしても、価格が高いようであれば、もっと安くできる建築会社を探し直すことも考えましょう。

初めに相見積もりを依頼した建築会社の全てがそれなりに高い建築費である場合も多いです。その理由は、広告費やモデルハウス、住宅展示場などに積極投資している建築会社と出会う機会が多く、そういった会社は宣伝広告費や営業マンなどに多くのコストをかけているからです。

広告宣伝費や人件費の高い会社ならば、必然的に建築費も高くなります。そうならざるを得ないものです。

逆に言えば、広告宣伝等への投資の少ない工務店であれば、同じような仕様のものであっても大幅に建築費を抑えられることがよくあるのです。但し、あまり広告宣伝に注力していないわけですから、なかなか出会う機会は少ないのが課題です。

しかし、そういった工務店こそ、あきらめずに探すべき建築パートナーかもしれません。総額によっては、400~500万円のコストダウンも可能なことがあります。

1-4.優先順位を決めて譲れないものと妥協するものを検討する

家づくりに対する想いはいろいろあると思いますが、予算を抑えるためには妥協するべき点を積極的に探さなければならないこともあります。優先順位をよく考えて、譲れるものと譲れないものをよく整理しましょう。

1-5.プランや建築費用が不透明なまま契約しない

建築費の予算は、契約後や着工後に生じる追加費用でオーバーしてしまうこともよくあります。このリスクを抑えるためには、建物プラン(仕様レベルも含めて)や建築費用が不透明なまま契約しないことです。契約する時点で、プランも見積り金額もできる限りはっきりさせて、契約後の変更や追加を無くすことを考えましょう。

1-6.第三者に見積書をチェックしてもらう

建築費用が思っていたより高いというとき、見積り内容がおかしいということもあります。記載内容のミスということもあれば、施主がわからないだろうと考えて不当な請求(同じ工事を名称をかえて2重に入れる等)が入っていることもあります。

これを施主が自ら見抜くのは難しいため、思い切って第三者に見積書をチェックしてもらうサービス(注文住宅(家づくり)の見積りチェック・相談)を依頼するのも良い方法です。無駄なもの、怪しい内容をチェックして適切な見積りにすれば、コストダウンになることもあります。

1-7.土地の選定から失敗しない

建築費は建物のプラン、面積だけで決まるものではありません。建築地(土地)の条件が影響することもあるのです。注意したい土地の1つは、路地状敷地です。建築資材などの搬入に苦労するため、建築費が割高になるのです。

また、軟弱地盤にも注意が必要です。日本は地盤の弱いエリアが多くを占めていますが、そのなかでも地盤によっては地盤補強工事だけで300万円超もかかるという事例もあります。これだけで予算がどうにもならないと嘆く人もいます。

くれぐれも土地の選定は慎重にしたいものです。

2.建物全体のコスト削減方法

建築費の予算オーバーを解決するための2つ目の方法は、建物全体について見直すことです。これも、その内容によっては大きなコスト削減効果を生むことがあります。

2-1.建物面積を減らす

建物の床面積は、建築費に大きく影響します。単純な見積りを提示する工務店では、建築費の単価を決め、それに床面積を掛けることで算出するだけということもあります。例えば、単価を60万円と設定し床面積が30坪であれば、1,800万円となります。

当然、面積を減らせば、総額が下がりますね。このような単純な計算方法の契約ではなくとも、床面積の減少はコストダウンになりますから、検討してはどうでしょうか。

2-2.建物の形状を四角形にする

建物全体の形状が単調なものほど、建築費を抑えることができます。平面図を見て四角形である方が安いのです。逆に言えば、形状が複雑なほど高くなります。

ローコスト住宅では、非常に安い坪単価を提示していますが、その基本プランは四角形であることがほとんどです。少し建物の形状を変更すると金額があがるものです。

2-3.階高、天井高さを低くする

各階の高さ、天井の高さを低くすることで、使用する建材の量もかわりますし、コストダウンにはなります。空間の広さにも影響することですから、慎重に検討しましょう。

2-4.外構工事をシンプルにする

外構工事をシンプルなものにしてコストダウンする方法もあります。また、外構は完成時点でなくてもよいという考えもありますから、あえてすぐには工事せず、将来の課題として残す方法もあります。無理にシンプルなものにするよりも、将来の課題とした方がよいという人もいます。

2-5.水周り設備の場所を集中させる

キッチンやトイレ、洗面、バスなどの水回り設備の配置を工夫することで、建築費を抑えられることもあります。これら水回り設備の位置を集中させることで、配管経路を短縮することができるからです。

3.仕様レベル(グレード)を下げる

建築費を落とすための方法の1つとして、使用する材料のグレードを落とすという方法もあります。これにより、当然ながらコストダウンできますが、その内容によっては大きな効果は望みづらいことも多いです。

3-1.水周り設備のランクを落とす

キッチンやユニットバスなどの設備は、商品代が高価なものです。高価なものほどグレードを落とすことでコスト削減効果を期待できます。設備にオプションで付けたものを妥協していくなども含めて考慮しましょう。

3-2.仕上げ材(クロス・フローリング等)のランクを落とす

壁や天井のクロスやタイル、床のフローリングやタイル、外壁のサイディングなど様々な仕上げ材がありますが、これらのなかでグレードダウンさせてよいものはないでしょうか。見た目や機能のことを考慮しながら、検討してみましょう。

4.数量を減らす

いろいろなものの数量を減らすことで、建築費を抑えられることがあります。内容によっては、あまり大きな効果を生まないため、他の手段とともに複合的な対策だと考えた方がよいです。

4-1.トイレの数を減らす

3階建ての住宅でトイレを3つから2つに減らす、もしくは2階建ての住宅で2から1つに減らすといった対策です。家族構成、利用するときのイメージなどを考慮して考えましょう。

4-2.開口部(サッシ)の数を減らす

外壁の開口部を作るとコストがかかります。たとえば、窓もそうです。サッシの材料費もかかりますね。サッシを減らすことができれば、コストダウンにはなります。また、サッシの巾や高さのサイズダウンでもコスト抑制できることがあります。

4-3.部屋数を減らす

部屋の数を減らすことができれば、建築費を下げられます。これは、間取りの変更ですから、前述した「2.建物全体のコスト削減方法」に入れた方がよかったかもしれません。

子供部屋を2部屋から、広い1部屋にするといった対策です。壁を減らすことはコスト削減になるわけですが、将来の利用のことを考えて、廊下からの入り口(扉)は2箇所にしておくことも考えましょう。

4-4.給気口をやめてサッシ付き給気にする

一般的に、外部に面する壁に給気口があり、外気を建物内部へ取り込むようになっているはずですが、この給気口の代わりにサッシ付き給気にする方法があります。これで多少のコストダウンができます。

4-5.コンセント等を減らす

念のためと考えて多めにコンセントを配置する人もいますが、必要ないものがないか見直してコンセントの数を抑えても多少のコスト削減はできます。こういったコスト削減は、1つ1つの効果は小さいですが、いろいろな箇所で工夫することにより総額でそれなりの削減効果を期待できることもありますから、検討してはいかがでしょうか。

5.コスト高なものを見直す

見積書を眺めて、コストの高いと感じる項目はないでしょうか。コストの高い項目について他の代替案を探すことで建築費を予算に近づけることができる可能性があります。

5-1.造作家具を減らして市販品を採用する

建築費が高くなる代表的なものが造作家具です。キッチン収納やその他の収納、棚、テーブル、カウンター、扉などを工務店や家具屋などにオリジナルで製作してもらうことは、その住宅、プラン、サイズ、使い方にあったものとすることができ、且つこだわりを表現することもできるものですから、重要なものでしょう。

しかし、高価であるのも事実です。全ての造作家具ではなく、一部であっても既製品で代替できるものがないか、各メーカーのカタログやショールームなどで探してみましょう。建築会社に提案してもらえればよいですが、良いものを提案してもらえるとも限らないので、自分でも探してみるとよいでしょう。

5-2.建築会社が安く仕入れできる設備商品を積極採用する

住宅には様々な材料の商品が使用されていますが、建築会社と商品の各メーカーとの取引量などの状況によって、同じ材料でも建築会社によって仕入れ価格が異なるということが一般的に起こっています。その建築会社にとって仕入れ条件のよくない商品を施主側から指定していると施主への提供価格も高くなりがちです。

建築会社がより安く仕入れすることのできるメーカーで代替品を探すこともよい方法です。建築会社に他メーカーの代替品を提案してもらうと安く仕入れできるメーカーがわかるかもしれません。

また、同じメーカーの商品を多く採用することで安くすることもできますので、その点も建築会社に相談してみましょう。

5-3.一部の材料・商品を施主支給する

材料を建築会社が仕入れで提供する場合、仕入れ価格に対して経費や利益が上乗せされます。施主が自らメーカー等から仕入れて、それを使ってもらうことで安くすることができるのです。

但し、メーカーによっては一般個人には販売しないものもあるので、よく確認しながら進めましょう。また、建築会社によっては施主支給を受け入れないとすることもありますから、契約前に確認しておく必要があります。

6.その他のコスト削減方法

これまでに挙げてきたこと以外にも何かコスト削減をする方法がないか考えてみましょう。建築費用そのものの負担ではなく、家づくりから入居し必要なものを購入するときのことまでイメージしてみると削減案が出てくることもあります。

たとえば、カーテンです。新居への引っ越しに際にかかる費用のなかでもカーテン代は馬鹿になりません。カーテン代は既製品とオーダーメイド品では価格差が大きいため、窓のサイズを決めるときに既製品で対応できるかどうか検討するとよいでしょう。

7.予算オーバー時の建築費削減に関する注意点

予算オーバーは大変なことですから、何とかして建築費を調整したいと考えるのはわかります。しかし、調整の仕方、コスト削減の仕方によってはかえって大変なことになることもあるので注意したいところです

7-1.分離発注には要注意

分離発注という言葉をご存知でしょうか。

一般的には、施主は元請けとなる建築会社に工事の一式を発注し、その元請けから様々な下請け業者へと各工事を発注していきます。これに対して、分離発注とは、施主が様々な工事業者に各工事を直接発注していくものです。

つまり、元請けがいないということです。元請けがいない分、それにかかる経費や利益が必要ないので安くできるということがメリットだと言われています。

しかし、この分離発注にはリスクも大きく、施工ミス・不具合の責任の所在が曖昧になったり、様々な工事業者の管理があまりに大変で自分では対応しきれなくなったりすることがよくあります。建築費を落とすために選んだ方法が、後々の対応のために多大なコスト負担を強いられることもあるので要注意です。

7-2.仕様レベル・数量などの調整分を確実に見積り金額に反映してもらう

このコラムで様々なコスト削減方法をあげました。そのコスト削減の過程では妥協したこともあるでしょう。しかし、せっかく頑張ってコスト削減を目指してきたのに、その努力が見積り金額に十分に反映されていないということがよくあります。

たとえば、キッチンやトイレの変更で5万円ダウンできるはずの対策だったのに、そのうち2万円を建築会社の利益とされて、3万円しか削減できないようなケースがあります。実際にその商品の仕入れ値がいくら下がったのか施主にはわからないため、建築会社が利益の上乗せに利用してしまうことがあるのです。

こういったことを多数の項目でされてしまうと、大きな金額となりうることですね。

7-3.住宅ローン選びは慎重に、真剣に行う

せっかくいろいろと妥協したり工夫したりして建築費を抑えても、住宅ローンの返済方法や金利を深く考えずに借入する人が少なくありません。住宅ローンの金利差による総支払額の違いは大きいですから、建物のことばかりではなく、住宅ローンについても時間を割いて検討した方がよいでしょう。専門家に相談してでも真剣に検討した方がよいのではないでしょうか。

7-4.最も効果が大きい建築費の削減方法は建築会社の変更であることが多い

建築費の予算オーバー額が大きいときは、前半であげた「1.基本的・抜本的な建築費用の削減方法」や「2.建物全体のコスト削減方法」を検討した方がよいでしょう。そのなかでも、建築会社の変更が非常に大きな効果をもたらすことがあるので、今の時点で希望する建築会社に固執しすぎないことも重要な注意点です。

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