土地探し

狭小地の駐車場(カースペース)問題と対応策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
狭小地の駐車場(カースペース)問題と対応策

東京や大阪などの都会によくある狭小地で注文住宅を新築しようとする人にとって、よくある問題の1つが駐車場(駐車スペース)をどうするかということです。

狭小地で家を建てるならば、限られたスペースの有効活用を優先事項に入れることは多いものです。建物を広くすれば、敷地のゆとりがなくなり、駐車場が狭くなるなどの問題が生じます。今回のコラムでは、狭小地が抱える駐車場問題とそれを解決するための工夫について考えています。

100%納得できる解決は難しいかもしれませんが、より良い住まいとするために工夫してみましょう。

1.狭小地の住宅でよくある駐車場の問題点

まずは、狭小地の住宅が抱える駐車場に関する問題点をあげていきましょう。

1-1.駐車場のスペースを確保しづらい

何よりも真っ先に持ち上がる問題が、駐車場としての十分なスペースを確保しづらいということです。土地の形状、間口、そして前面道路との関係もありますが、とにかくスペースが不足しがちだという問題があります。

1-2.道路が狭いと駐車しづらい

狭小地の住宅のなかでも、特に駐車に関して困ることが多いのは、その敷地に接する道路(前面道路)の道幅が狭いときです。車を駐車場へ停めるために何度も何度も切り替えさなければならないようであれば、面倒で大変ですね。

1-3.門扉・塀などの外構は制限される

駐車スペースを確保するために、敷地が道路と接する部分のほぼ全てを駐車スペースとして活用することもあります。そのような場合、車の出し入れのために門扉や塀、フェンスなどがあれば利用しづらくなりますから、こういった外構を設けることがほとんどできません。

外構を設けたいのであれば、間口の狭い狭小地で駐車場を設けることは難しいでしょう。

1-4.耐力壁が道路側に取りにくいので、構造上苦労する

建物の耐震性という点で重要な役割を果たすのが、耐力壁です。この耐力壁はどこに配置されてもよいというわけではなく、全体のバランスも大事なのですが、狭小地の住宅でよく見かける1階部分が駐車スペースになっている建物においては、耐力壁の配置で困ることがあります。

車は当然ながら道路から進入してきますから、建物の道路側に壁を設けづらいのです。それでも構造的に問題ないプラントするため、設計上の苦労が生じるのです。

2.狭小地の住宅における駐車場の工夫

次に狭小地の住宅における駐車場問題をどのように解決すればよいのか、その工夫の仕方についてあげていきましょう。住宅オーナーの考え方から考え直すことも含めてあげていきます。

駐車場問題のアイデア

2-1.車を持たない又は軽自動車にする

駐車場の設置の仕方で工夫を考える前に、本当に車が必要なのか、もしくは狭い駐車場でも駐車できる軽自動車などの小型車ではダメなのかといったことを考えてみましょう。車を持たない世帯も増えていますが、必要なときにレンタカーやカーシェアを利用することで対応することは、家計にも優しいことが多いです。

2-2.近所で駐車場を借りる

無理に自宅に駐車場を持つことをせず、近所で借りるという方法もあります。分譲マンションを購入した人ならば、駐車場を借りて家賃を支払うことは当たり前のようになっていますから、それと同じだと考えるわけです。

前面道路が狭い住宅地であるならば、むしろ車の出し入れに苦労しない場所で駐車場を借りる方がよいこともあります。条件をよく考えて比較検討してはどうでしょうか。

2-3.ビルトインガレージにする

狭小地の住宅でよく見かけるのが、ビルトインガレージです。建物の1階部分に駐車スペースを設けたもので、一般的には道路側に大きな開口部のある建物になります。狭小地の駐車スペース確保のためには、よく採用されるプランです。

駐車した車がどこまで建物内部に収まるかにもよりますが、ある程度、雨除けにもなるというメリットもあります。

しかし、「1-4.耐力壁が道路側に取りにくいので、構造上苦労する」で書いたように、構造上の心配が出てくることが少なくないため、よく考えなければなりません。

2-4.張出型の建物やラーメン構造などで工夫する

壁の位置が難しいため張出型の建物プランで工夫したり、壁が少なくてもよい準ラーメン構造や門型ラーメン構造、鉄骨造などの工法を選んで工夫したり方法を検討するとよいでしょう。

こういった構造・工法に関する部分は、設計者ときちんと打合せして決めていくことをお勧めします。たとえば、ハウスメーカーの営業マンとの打合せでほとんどのプランを決めていくときには、十分なフォローを受けられない可能性があるため、設計者との打合せが大事でしょう。

2-5.旗竿地なら車路を隣地と共有する

旗竿地である場合は、車路を隣地と共有して駐車スペースとする方法もあります。但し、そのスペースの広さ・形状などにもよりますが、隣地とのコミュニケーションが重要となります。例えば、車を駐車する位置や出し入れなどについてルール化して、それを互いにきちんと守らないと隣地との関係悪化となることもあります。

旗竿地の駐車場対策

駐車スペースとして使用する車路の巾は2メートル程度であることが多いです。その場合、車の巾を考慮すれば、隣地と同じ位置に並べて駐車するとドアを開閉して乗り降りすることが困難ですね。車の駐車位置を縦にずらすことで乗り降りしやすくなりますから、ルール化が必要です。

上の図では、水色が車だと考えてください。駐車位置をずらしているので、ドアを開閉することができますね。

また、境界位置にフェンス等を設置することも車のドアを開閉しづらくさせてしまいますから、互いにフェンス等を設置しないことにしなければなりません。

 

狭小地における駐車スペース問題については、設計者とよく話し合うことが大事です。今の車種だけではなく、将来の乗り換えのことも考慮しておきましょう。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

一級建築士の間取り相談

完成してから後悔しないために!
・不満点を解消できる
・工務店以外の客観的な意見を聞ける
・間取りの問題点を指摘してもらえる
・悩んでいる点の解決策を教えてもらえる

一級建築士の間取り相談とは?

ハウスメーカーから無料で間取りプランや土地の提案を受けたい方へ