間取り

駐輪場・バイク置き場の注意点 ~注文住宅の間取り講座~

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駐輪場・バイク置き場の注意点 ~注文住宅の間取り講座~

注文住宅の間取り講座シリーズの第3弾として、駐輪場とバイク置き場を取り上げます。一戸建てを新築するときや増改築するとき、建物本体のことだけではなく、外部のこともしっかり考えて設計してもらわなければなりません。

あなたの家族構成や暮らし方によって、自転車やバイクの所有台数は異なりますが、必要に応じてここであげる注意点を考慮してプラニングしましょう。

1.自転車・バイクの盗難防止

バイクや自転車の盗難が多いことをご存知の人は多いと思います。警察庁が公表しているデータでは、平成27年のバイクの盗難認知件数は35,486件です。自転車もロードバイクやクロスバイクといった高級なものを所有する人が増えています。しかし、これらは盗難の対象となりやすいというリスクもあります。住宅で盗難にあうケースもあり、盗難防止については家づくりの際に考えておきたいところです。

1-1.人感センサー付きライト

盗まれやすいのは夜間ですが、自転車やバイクを置いているスペースを照らす位置に人感センサー付きライトを設置すると効果が期待できます。人が近づくと明るく照らすため、盗む人が敬遠する可能性が高まるからです。

1-2.屋内に駐輪・駐車スペースを作る

最も効果を発揮するのは、屋内に駐輪・駐車する方法です。しかし、駐輪・駐車スペースを屋内に作るということは、それだけ建物面積が大きくなるわけで、建築費が非常に高くなってしまいます。

バイクや高級な自転車の愛好家でないとなかなか現実的に選択しづらい方法ですね。

1-3.チェーン固定金具の設置

車輪などをチェーンで固定しておく人が多いですが、チェーンごと盗んでしまうケースもあります。そこで、自転車等に巻いたチェーンを地面や壁などに固定する金具を設置する方法があります。

自転車等が地面や壁に固定される形になるため、盗難にあいづらいというわけです。

自転車の盗難対策

2.雨対策

自転車やバイクを雨にさらしたくないという人も多いでしょう。錆、劣化につながるので雨に濡れないように保管しておきたい考えもよくわかります。どのような雨対策があるのか見ておきましょう。

2-1.屋根を作る

保管スペースに屋根を設置する方法が考えられます。自動車の駐車場を広くして駐輪場を兼ねるプランもありますね。

但し、この屋根をきちんと作るとなると建築面積に含まれることになり、建ぺい率に影響しますから、敷地面積などの条件次第では、建物本体の面積を小さくせざるをえないこともあります。よって、何を優先すべきであるかもよく検討しなければなりません。

2-2.屋内に駐輪・駐車スペースを作る

盗難防止のところでも話しましたが、屋内に駐輪スペースを作ることで十分な雨対策になります。「2-1.屋根を作る」と同じで建ぺい率の問題もあれば建築コスト増加の問題もあるので、総合的に考えて判断したいところです。

3.安全性

次に安全性について考えてみましょう。

3-1.子供の飛び出し対策

子供が敷地内で自転車に乗って道路へ飛び出して事故にあるケースがあります。もちろん、安全確認をきちんと教育することが大事ですが、プラン上の工夫も考えたいところです。

たとえば、ミラーの設置です。自転車が道路へ出る箇所を限定し、ミラーを取り付ける方法です。道路を走る別の人の自転車や歩行者、場合によっては自動車からも同箇所を確認できる効果を発揮することもあります。

また、外構を工夫して敷地内から道路(その逆方向も)への見通しをよくすることも良い対策になります。たとえば、塀や植栽で視界を防いでしまわずに見通しをよくするのです。

3-2.建築基準法第22条指定区域なら不燃材にする

火災と関連があることですが、建築基準法の第22条指定区域では、材料を不燃材料とすることになっています。規制に対応することはコスト高だと感じる人もいるかもしれませんが、安全性の考慮でもあります。最近のポリカーボネート材は不燃になっているものも多いですから、屋根等を作るときの良い候補になります。

また、材料としては鉄製には注意してください。海が近いと塩害により早々に錆てしまい、危険な状態になることもあります。早期に交換するとなれば、費用ももったいないですね。

バイク置き場

4.使いやすさ

プラニングで考えなければならないのは、やはり普段の使いやすさです。

4-1.駐輪・駐車スペースの広さは十分か

自転車の台数もよく考えて駐輪スペースを作りましょう。自動車の駐車スペースは入念に検討するのに、自転車のスペースまでは細かく考えていない人がいます。「車をおいて空いたスペースに駐輪すればよいか」ぐらいに考えていると後悔することもあります。

台数や外部への出し入れのことも考慮して決めてください。

4-2.道路への出入り口の巾

敷地内から道路へ自転車等を出すときのルート確認にも気をつけてください。植栽や塀などの位置・大きさに注意しなければなりません。

事例としては、旗竿敷地で通路に自動車を置くと狭くて自転車を出し入れできないというケースがありました。道路と敷地の接する面が2mで、その通路状のスペースに自動車を停めると自転車などを出し入れしづらくなるのは当然ですね。

お子さんが無理に自転車を出そうとして自動車を傷つけては大変です。

4-3.道路との段差対策

敷地と道路の関係によっては、高低差が生じてしまうこともあります。敷地の方が道路よりも高いこともあれば、その逆になっている住宅もあります。いずれの場合でも段差があれば出し入れに手間がかかります。

また、年配の人にとって楽な電動自転車を使用する場合、普通の自転車より重いですから、段差への対応がかえって大変になってしまいます。段差をなくすなどの対応をよく考えておきましょう。

4-4.電動自転車ならバッテリー対策

将来は電気自動車が増えていくことになりそうですが、既に電動の自転車を使用している人は多いですね。今は使用していなくとも将来購入する可能性を考えて、充電箇所を検討しておくとよいでしょう。駐輪スペースが建物本体から離れていて、その付近に電源を設置していないことはよくあることです。

4-5.保守・メンテナンス用具の保管場所の検討

自転車でもバイクでも保守、メンテナンスのことも考えておきたいです。空気入れや洗車道具などの用具類をどこに保管しておくのか、考えておきましょう。都度、建物内部から漏っていくのも面倒ですね。

自転車の駐輪場やバイク置き場について考えるべきことを挙げました。建物内部の間取りだけではなく、敷地全体のことを考えてプラニングしましょう。

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