住まいの間取りで悩んでいるあなたなら、ぜひ読んでおきたい間取り作りの基本的なチェックポイントのお話しです。間取りを考えることは、はじめは楽しい作業だったのに、迷っているうちにどうしてよいかわからなくなり、意外と難しい作業だと感じている人は多いでしょう。
完璧な間取りを追い求めると、間取り作りの迷宮に迷い込んでしまいます。長年、住まいの設計をしているわけでもないのですから、多くのことを考えすぎず、迷っているならば基本に戻って考えてみましょう。ここでは、誰でも簡単にできる間取りに関する基本的な5つのチェックポイントを解説します。
1. 採光・明るさ
室内への採光は誰にとっても大事なポイントです。特にリビングに明るさを求める人は多いでしょう。理想としては、南側に大きな窓を作って、そこから明かりを取り込みたいところですが、隣の建物との距離・位置関係や土地の形状等の条件などから、南側にリビングを持ってくることが難しかったり、南側から採光を得ることが困難だったりすることよくあることです。
そういったときは、別の方法でリビングに明かりを採りいれる方法を考えましょう。代表的な方法としては、天窓(トップライト)の設置ですね。屋根に採光目的の窓を設置するわけです。車でいうところのサンルーフですね。
2階建ての住宅ならば、2階にリビングを配置し、天窓(トップライト)を設けることも検討してはいかがでしょうか。1階のリビングでも下屋部分ならそこに天窓(トップライト)を設けられる可能性を考えたり、吹抜けにして2階部分の壁に窓を設けたりする方法が有効な場合もあります。
2.風通し
窓を開放しない家庭もあるため、暮らし方や考え方によってはそれほど考慮する必要がないかもしれませんが、できれば考えておきたいことが風通しです。
ある窓から入った風が、どこからか自然と外部へ抜けていけばよいわけです。たとえば、リビングの窓から入った風が、廊下や洗面室を通って洗面室の窓から外部へ流れていくということもあります。風通しをよくするためには、できれば向かい合う位置に窓などを配置して、風が通りやすいようにしたいものです。
マンションを訪れたとき、玄関の扉を開けっ放しにしている部屋を見たことありませんか?マンションの場合、風の通り道を設けづらいため、バルコニー側の窓からまっすぐ玄関へと風が抜けるようにしている人がいるのです。
3.動線
毎日の生活を思い浮かべながら、動線についてチェックしてみましょう。朝来てから家族が外出するまでの行動パターン、家事をするときの動線、家族が帰宅してからの行動パターンなどもイメージしてみましょう。
4.収納量と収納の配置
収納はどれだけの物を収納できるかという収納量のチェックと、どこに収納スペースを設けるかという配置の両面でチェックしましょう。
収納量は、現在の住まいにある収納スペースとの比較で検討するとよいでしょう。様々な制約がある中で間取りを考えるわけですから、場合によっては思い切って断捨離することも必要かもしれません。
そして収納の配置です。たとえば、季節的に使用しないものについては、収納場所が便利なところである必要はありませんね。普段からよく使用するものは、よく使うところの近くに収納したいものです。たとえば、掃除機は取り出しやすさが重要ですし、アイロンやアイロン台はそれをとく使用するところに収納したいですよね。
5.デッドスペース
デッドスペースとは、何かをすることに使用できないただのスペースのことです。たとえば、建物面積に占める廊下の面積の割合が高いと、ただ通るだけのスペースが大きすぎるということになり、限られた広さを有効活用していることにはなりません。
広大な土地に大きなお屋敷を建てるのであればよいかもしれませんが、多くの日本の住宅にとってはデッドスペースを減らすことは大事なことです。
たとえば、一見、リビングの一部のように見えるものの、廊下や階段などへ行くときに通るしかできないスペースもそうです。廊下などへ出るために使う場所には、物を置くこともできません。また、ソファーやダイニングチェアに座っているときにほとんど目線に入らない場所で、そのようなスペースがあれば開放感にもあまり役立っていません。
いろいろと間取りについて悩んで変更していくうちに、ここで挙げた基本的な5つのチェックポイントのいずれかが大きく崩壊してしまっていることがあります。もちろん、優先順位などのも考えて取捨選択もしなければいけませんが、一度基本に戻って考えることも大切ですね。