間取り

寝室の注意点 ~注文住宅の間取り講座~

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寝室の注意点 ~注文住宅の間取り講座~

注文住宅の間取りプラン等を検討するときの注意点や検討すべきことをお伝えする注文住宅の間取り講座シリーズですが、今回は寝室を取り上げます。

寝室は過ごす時間が長くなること、リラックスして体も気持ちも休めるスペースであることから、大切な場です。しかし、「ただ寝るだけだから」とあまり深く考えずに間取り作りを進める人もいますから、もう少し寝室についても慎重に考えてほしいです。

今回の記事では、子供の寝室(子供部屋)としてではなく、夫婦の主寝室を前提としています。寝室の配置や部屋内のレイアウトのことなどについて参考にしてください。

1.寝室の建物内における配置

寝室を住まいのなかのどの位置に配置するかについて検討しておきたいことを挙げてみます。誰もが同じ考えではないですが、検討材料の参考としてください。

1-1.寝室の所在階と方位

寝室を1階におくか、2階におくか、3階におくかという所在階に関して検討しましょう。

寝室の環境に対して求めることは、人によって様々です。たとえば、明るい部屋が良いから日当たりのよい上階(2階や3階)の南側に配置する人もいますし、逆に暗い方がいいとして北側に配する人もいます。

寝室の日当たり

日当たりのよい部屋に配置するメリット

  • 朝陽を浴びて目覚めたい人に向く
  • 窓際にベッドを置けば布団を干すのが楽

日当たりの悪い部屋に配置するメリット

  • 暗くてゆっくり寝られる

ちなみに、朝陽を浴びて起きたいなら東向きでもいいですね。

北側の部屋に寝室を配置した場合、結露が酷くなることが多いので注意しましょう。そもそも北側は結露が多いのですが、人が就寝している間に室内の湿度があがりやすいため、結露が生じやすくなるのです。

1-2.音環境を考えた配置

家族構成や家族の生活リズムなどによることですが、音の問題も考慮するとよいでしょう。

たとえば、リビングの隣に寝室があり、就寝中にリビングで子供世代が遅くまで起きていて物音(TV等の音や笑い声など)が気になるという人がいます。

また、二世帯住宅では寝室の上に子世帯のリビングや水周りは避けた方が無難でしょう。排水音や孫の走り回ることが煩いということがあるからです。

1-3.その他、配置に関すること

間取りを考えるとき、子供のことを考えすぎる傾向にありますが、子供部屋より主寝室のことをもっと優先して考えてもよいのではないでしょうか。子供のことを考えるのはよくわかるのですが、いずれは育っていき、ほとんど使わない部屋を優先した間取りというのも勿体ないです。

せめて、子供部屋から主寝室へ変更しやすい間取りプランとするか、多少のリフォームで寝室を広く変更しやすくしておくことを考えるとよいでしょう。

就寝途中に使いやすくするため、また朝に目覚めてからの動線をよくするという意味で、寝室の近くに洗面・トイレを配置するのもよいでしょう。

2.寝室の収納

次に寝室における収納について考えてみましょう。

WIC

ウオークインクローゼット(WIC)を寝室内に置くことが多いですが、本当に人気の収納です。そのサイズ(大きさ)や形状によっては使えないスペースができることもあり、必ずしもWICが便利だとは限りません。詳しくは、「ウォークインクローゼットのメリット・デメリットと注意点」を参照してください。

寝室の収納が不足するならば、ベッド下のスペースを収納にしてはいかがでしょうか。収納付きのベッドを購入してもよいですし、収納ケースをベッド下に入れてもよいでしょう。収納付きベッドやオリジナルの造作ベッドとして作ってしまえば、ベッド下の埃の心配がない点もメリットになります。掃除が楽になるは魅力的ですね。

場所をとる物といえば、夏冬の寝具ですね。布団、毛布などを使わない季節にどこに保管しておくか考えて住まいの設計をしておきたいものです。十分な広さのあるクローゼットを作れるならば、それがよいでしょう。

3.寝室内のレイアウト

間取りを決定する前に、寝室のなかのこと、つまり寝室内のレイアウトも考慮しておきたいものです。

3-1.置く物をリストアップ

寝室内におけるレイアウトも考えた上で間取りプランを検討しなければなりませんが、そのためにもまずは寝室に置く物をリストアップしてください。

  • ベッド
  • 化粧台
  • サイドテーブル
  • 収納
  • 加湿器
  • 空気清浄器
  • テレビ
  • 本棚

以上は一例ですが、このなかに不要なものもあれば、他に必要なものがある人もいるでしょう。化粧台は寝室以外に置くという人も多いですね。

リストアップした後は、それぞれの物を置くだけのスペースがあるかどうか、広さはもちろん形状の面からも検討しましょう。当然ながら、寝室の出入り口の扉や収納の扉が開閉するスペースはあけておかなければなりません。

3-2.電気スイッチ・コンセント

次に電気のスイッチやコンセントのことも考えておきましょう。ベッドから消しやすい位置にスイッチを設置するか、リモコンで操作すると割り切るか決めておくべきです。また、ベッド脇にスマホを置いておきたいなら、充電用にベッドの側にコンセントが必要です。それもできれば頭部に近い方がよいなら、そのように配置しなければなりません。

3-3.エアコンの位置

意外と位置決めで困ることがあるのがエアコンの位置です。夫婦間でエアコンに対する考え方が相違する場合は、慎重に話し合ってきめなくてはいけません。エアコンの風が当たりづらい場所にベッドを配置することなどを考えなくてはならないのです。

余談ですが、寝室の使い方として、サイドテーブルとイスを置いてセカンドリビングにしたいというケースがありました。しかし、出来上がって暮らしてみるとほとんど使うことはないようです。理想としていた使い方も実際の生活のなかでは、必要なかったということなのでしょう。

ベッド周り

4.寝室の間取り作成時に検討したいこと

寝室に関して、他にも検討しておくとよい項目をあげておきます。人によって差異のあることですから、ここにあげたこと全てを取り入れたり、考慮したりする必要はありません。あなたにとって必要なことだけ考えてみるとよいでしょう。

4-1.床仕上げ

床はフローリングにすることが、冬の朝に起きたときのことを考えてカーペットにする人もいます。フローリングより暖かいですから。ただ、ベッド横にラグを敷くことでも対応できますから、何がよいか好みで考えましょう。無垢の木も暖かいですね。

ちなみに、カーペットはフローリングに比べてメンテナンスが大変ですから参考にしてください。

4-2.カーテン

寝室のカーテンは視線を遮るだけではなく、光を遮ることも目的として遮光カーテンを採用する人が多いです。ただ、朝陽を浴びて起きたい人は遮光カーテンではかえって邪魔になります。カーテンを開けるまでは真っ暗にしておきたいのか、もしくは自然の光を取り入れたいのか考えておきましょう。

光の問題だけではなく、多少の遮音効果が期待できるカーテンを使うことも寝室で考えておきたいことです。静かな環境を望むなら尚更ですね。

4-3.窓際は暑くて寒い

ベッドを窓の側にレイアウトした場合、夏は暑くて冬は寒くなってしまいます。自然光で目覚めたいとはいえ窓際は暑さ・寒さの問題がありますから、優先すべきことを考えておきましょう。通気をうまくとると初夏や残暑は気持ちがよいものです。

4-4.夫婦で同じ寝室にするか

少し根本的な問題ですが、夫婦で寝室を一緒に使うのか別に分けてしまうかも考えた方がよいでしょう。別の部屋とした場合は、寝室というよりも自分の部屋となる色合いが濃くなりがちです。自宅で仕事をしたり、趣味の部屋が欲しかったりするならば良いのではないでしょうか。

仕事の都合で起床・就寝の時間のずれが大きいなら、夫婦別室も良いアイデアでしょう。

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