どうもこんにちは、ザク男爵でございます。
新築住宅・中古住宅を購入するときに、ホームインスペクション(住宅診断)を利用する方が増えました。
それにともなって、ホームインスペクションの業者も増えました。
業界が盛り上がるのは喜ばしいことですが、増えた業者のなかには悪質な会社もいるので注意が必要です。
とくに第三者性がない業者には、ご注意くださいませ。
建築業者(ハウスメーカー・工務店など)と距離が近いと、ホームインスペクションの意味がないばかりか、不要なリフォームをゴリ押しされるかもしれませんよ。
ではホームインスペクションの業者は、どうやって選ぶのか?
この記事では、業者選びで失敗しないポイントを解説させて頂きます。
こんな業者に注意!ホームインスペクション業界のトンデモ会社たち。
ホームインスペクションとは、建築業者とはちがう「第三者の立場」から、家の問題点を発見・指摘することです。ホームインスペクションを受けることで、安心して家が買えるようになります。
しかしホームインスペクションのサービスが悪かったり、そもそも「第三者の立場」でなかったら、ホームインスペクションの意味がありません。
ホームインスペクションで注意すべき業者には、次のような特徴があります。
知らずに契約して後悔しないよう、事前に確認しておきましょう。
実績・経験が少なくてはじめる人がいる。
まず知っておいて頂きたいのは、ホームインスペクションの実績・経験が少ないのにはじめている人がいることです。
・独立して間もない会社、個人。
・新しい事業としてはじめたばかり。
・狭いエリアで対応しており、受注実績が少ない。
同じ設計図で建てられた家は2つとなく、家の不具合もバラバラです。そのため経験の乏しいインスペクションでは、欠陥を見逃してしまうことがあります。
ホームインスペクションを受けて安心したいのに、欠陥を見逃してしまうようでは意味がありませんよね。
不動産・建築業者の関連企業である。
ホームインスペクション業者で注意したいのが、不動産・建築業者の関連企業です。
ホームインスペクションで大切なのが、第三者の立場から診断すること。ですが不動産・建築業者の関連企業では、第三者性は保たれません。
そのため診断内容も、
・物件を購入してもらうため、買主が知るべき情報が隠されてしまう。
・診断後のリフォーム工事の受注が目的になっている。
・不要なリフォーム工事を受注するため、問題ないことまで問題あるかのように指摘する。
などの問題があります。
これではホームインスペクションを受ける意味がございません。
不動産・建築業者からの紹介に頼る業者が多い。
不動産・建築業者の関連企業でなくても、彼らから紹介してもらう仕事に頼っている業者にも注意が必要です。関連企業と同じように、第三者性に疑問があるからです。
仕事を紹介してもらっているホームインスペクション業者では、「仕事を紹介してくれる会社」がお客様になります。
不動産・建築業者に紹介してもらっている場合、紹介者の利益にならない診断書は書きづらいですよね?
そのため診断結果は、どうしても「売りやすい診断結果」「買っても大丈夫な診断結果」となってしまいます。
これでは第三者性がなく、本来指摘すべき欠陥を見逃してしまい、インスペクションの意味がありません。
初期投資が少ないので、簡単にはじめて簡単にやめる人が多い。
ホームインスペクションの仕事は初期投資が少ないので、簡単にはじめられます。
しかしその一方で、簡単に辞める人が多い仕事でもあります。
依頼した会社が倒産(営業してない)してしまうと、その後のアフターフォローが受けられません。
ホームインスペクションした業者が倒産してしまったら、その診断結果はだれが責任を持つのでしょうか?
診断結果の紙切れだけ残されても、会社が残っていなければ意味がないのです。
ホームインスペクション業者の選び方のチェックポイント!
ではホームインスペクションの業者を選ぶとき、どんなことに注意したらいいのでしょうか?
ここではホームページからでもチェックできるポイントを解説します。
資格を持っていること。
ホームインスペクションの業者選びでチェックすべきなのは、資格を持っていることです。
・新築住宅:建築士(1級建築士・2級建築士)
・中古住宅:建築士で、さらに既存住宅状況調査技術者であること。
※既存住宅状況調査技術者とは?
平成29年2月に作られた、新しい技術者資格。中古住宅の劣化状況について調査する。
ホームインスペクションには、特別な資格はいりません。そのためホームインスペクション業者のなかには、資格を持たずに営業している会社もいます。
民間の資格(住宅診断士など)もありますが、ここ数年で民間資格が乱立してしまい、信ぴょう性に欠けるのが現状です。
やはり信頼すべきは、国家資格。ホームページで持っている資格を確認しましょう。
ただし資格の条件は、あくまでも最低限のラインです。資格だけで安心するのは危険ですよ。
住宅の設計監理の経験があること。
ホームインスペクション業者を選ぶとき、住宅の設計監理の経験のある業者を選びましょう。
住宅の設計監理とは、「家の工事が設計通りにすすんでいるか?」、チェックすることです。施主の代理として現場との打ち合わせを行い、工事の指示も出します。
住宅の設計監理の経験が大切なのは、住宅の仕組みについて精通できるからです。
・家作りの流れ
・家作りの工事現場で、どんな作業が行われているのか?
・どんなトラブル(不具合・欠陥)が起きやすいのか?
本に書いてあるマニュアル的なことではなく、実際の現場を知っているからこそ、ホームインスペクションの精度も上がります。
ホームページで担当者の顔が確認できるか?氏名・資格は公開されているか?
ホームインスペクション業者のホームページを確認したとき、担当者の顔は公開されていましたか?氏名・資格は公開されていますか?
もしそれらが公開されていないなら、選ぶ候補からそっと外すことをおすすめします。
なぜなら顔を出せない人のなかには、建築業者・ハウスメーカーに勤務しながら、休日にアルバイトをしている人もいるからです。
副業が悪い、という話ではありません。
悪いのは第三者性が保てないこと。建築会社に勤務しながらのホームインスペクションでは、第三者性が保たれません。
だってそうじゃないですか?
本業で勤めているハウスメーカーをホームインスペクションするとき、悪い診断結果なんて書けないですよね?それがバレたら、本業を失うかもしれません。
ですので、ホームページにしっかり顔・氏名・資格が公開されている業者を選びましょう。
第三者の立場であること。
とても大切なことですので、繰り返しお伝えします。
ホームインスペクション業者を選ぶときは、必ず第三者である業者を選びましょう。
・不動産業者、建築業者でない。関連会社でもない。
・不動産業者、建築業者からの紹介された業者ではない。
診断内容に客観性がなければ、ホームインスペクションは成り立ちません。それは茶番というものです。
めんどうではありますが、だれかの紹介ではなく、自分で業者を見つけて選ぶ必要があります。
会社の実績。
ホームインスペクションをしている業者のなかには、実績の少ない業者も多いです。
実績・経験が少ないと、指摘すべき不具合・欠陥を見逃してしまうかもしれません。
ですので、業者を選ぶときは、実績・経験が豊富な業者を選ぶのがおすすめです。
ただし、「実績が多ければ安心か?」と言われれば、それは残念ながら「ノー」でございます。
なぜならホームインスペクションの実績・経験だけでなく、「これまでどんな仕事に関わってきたか?」、ということが大切だからです。
「ホームインスペクションの実績件数は多くても、これまではまったく別の業界で仕事をしていた。」
このような場合、持っているのはホームインスペクションの経験だけです。
家の不具合を見つける経験だけでは、そもそも見つける不具合が正確だったとは言い難いでしょう。
つまりホームインスペクションの実績はもちろんのこと、これまで新築・中古住宅に深く関わり、住宅の設計管理に精通していることが大切なのです。
担当者のコミュニケーション能力。
ホームインスペクションでありがちなのが、診断してもらっても「担当者の説明が専門用語ばかりで分からない!」というトラブルです。
専門用語をわかりやすく解説してくれる、担当者のコミュニケーション能力が必要です。
・ホームページの解説がわかりやすい。
・問合せしたときの対応が親切である。
など、親切な営業スタンスの業者を選ぶことをおすすめします。
適性価格であること。
ホームインスペクション業者を選ぶとき、相場よりも安い価格には注意が必要です。
・スキルの低い人材にホームインスペクションさせている。
・不動産業者、建築業者からバックマージンを受けている。
安いには安いだけの理由があります。
「質の高いサービス」で「建築業者から独立した立場」からホームインスペクションするには、それなりのコストがかかります。基本的な調査範囲では、5~7万円が相場です。
相場よりも大きく安い価格は、「なにかある」と思ってまちがいありません。
まとめ:「第三者の立場」が最も重要
近年増加したホームインスペクションの需要を受けて、業者の数も増えました。
しかし残念ながら、悪質・質の低い業者もいます。
ホームインスペクションの業者を選ぶときは、次の7つのチェックポイントに注意して選ぶのが大切です。
1・資格を持っていること(建築士、既存住宅状況調査技術者)
2・住宅の設計監理の経験があること。
3・ホームページで担当者の顔、氏名、住所が確認できること。
4・第三者の立場であること。
5・会社の実績(ホームインスペクションだけでなく、設計監理の実績・経験が大切)
6・担当者のコミュニケーション能力。
7・適正価格であること。
とくに重要なのが、第三者性です。
第三者性が失われると、買主が知りたい情報が隠されることがあります。
不動産会社・建築会社とつながりのある業者では、第三者性が保てません。
リフォームの受注目的のインスペクションを受けても、その診断結果を信用できるでしょうか?
ホームインスペクションの目的は、「第三者の立場からチェックして、安心して家を買うこと」です。売りたい人から依頼されたインスペクションでは意味がないのです。
ホームインスペクション業者を選ぶときは、「第三者性が確立しているか?」に注意して選んでみてくださいね。