工務店選び

中小・零細の工務店に注文住宅の建築を依頼する7つのデメリット

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中小・零細の工務店に注文住宅の建築を依頼する7つのデメリット

注文住宅を建てるときに小さな工務店(建築会社)に工事を発注するか、もしくは誰もが聞いたことのある有名なハウスメーカーに発注するかで迷う人は少なくありません。多くの場合、建築してもらう会社の規模によって建築費が全く異なるものになるため、迷う気持ちもよくわかります。

工務店による家づくりは大手ハウスメーカーと違って、建物のプラニングに対する自由度が高いことが大きな魅力(メリット)ですが、建築費が低価格であることも大きな魅力の1つであり、これから注文住宅を建てたい人は工務店を依頼先候補の1つとして積極的に考えたいところでしょう。

中小・零細規模の工務店で注文住宅を建ててもらうことを考えなら、そのデメリットもよく理解し、その対策も取っておきたいところです。それによって、安心して工務店に建築工事を依頼できることでしょう。

1.中小・零細の工務店に注文建築を依頼するデメリット

工務店による注文住宅の建築に関して、まずはデメリットをリストアップしてみました。以下がデメリットとして考えられることです。

  1. 工事見積書の内容が不透明
  2. 請負契約書と約款が不充分
  3. 人の対応に不満を頂く
  4. デザイン力、プランの提案力に欠ける
  5. 現場の管理体制に問題を抱えている
  6. 社名・規模による信用がない
  7. 工務店を見つけるのが難しい

ここであげたデメリットは全ての中小・零細の工務店に共通しているわけではありません。工務店によって、業務の運用方法や質のバラツキは非常に大きく、一概に判断できるものではありません。

しかし、これらのデメリットのうちの複数項目に該当する工務店が多いことを理解し、工務店選びで失敗しないためにも以降でデメリットの詳細や注意点を学んでください。

1-1.工事見積書の内容が不透明

工事見積書の内容が不透明

これまでに非常に多くの見積書を見てきましたが、大手ハウスメーカーに比べて中小・零細規模の工務店が施主に提示する見積書の内容はひどいものである確率が高いです。

一式表示ばかりで使用する材料の単価が全くわからないもの、どのような材料・商品を使用するのか書かれていないもの、大きく分類した工事項目ごとの金額しか表示されていないものなど、様々なひどい見積書があります。

このようなケースでは、見積書を持参した営業マンに各工事内容や使用材料について説明を求めても全然回答を得られないことが多いです。なぜなから見積書を作成した側も、詳細を把握していないからです。

多くの新築住宅において、その建築費は1,000万円を超える金額です。2,000万円を超えることも多いですね。そういった高額な建築費の見積書であるにもかかわらず、誰が見ても詳細不明だというのは少々異常なことです。

工務店に依頼するときは相見積もりをとって見積書の内容で信頼度をはかるとよいでしょう。また、第三者に見積書をチェックしてもらうことも非常に有効ですから、「注文住宅(家づくり)の見積りチェック・相談」サービスを利用するとよいでしょう。

1-2.請負契約書と約款が不充分

請負契約書と約款が不充分

工務店に依頼するデメリットの代表格の1つが、請負契約書の問題です。建築工事を依頼すると決めれば、その工務店で建設工事請負契約書を締結しますが、その契約書の内容を見て驚くことが少なくありません。

一般的には、建設工事請負契約書には契約当事者の表示や建築地、建築費、建物面積などを記載しており、それに第1条からはじまる部分(約款)があります。しかし、いろいろな契約書を見ていると約款がなくて取引条件の詳細を何も決めていないケースがあったり、約款はあるもののわずかな条項のみで大事なことが不明瞭であったりすることが多いです。

大手ハウスメーカーでは、そのように簡易化された契約書を使用することはありませんが、工務店ではよくあることで、この不十分な契約書のおかげで多くのトラブルを生んでいます。但し、大手ハウスメーカーの契約書なら絶対安心だと言っているわけではありません。一方的にハウスメーカー側の都合で決められている部分があるため、施主に不利な内容が書かれていることも少なくないからです。

全ての工務店の請負契約書が酷いものだというわけではありませんから、工務店を選ぶ際には、どのような契約書を交わすのか早めにサンプルを見せてもらうのも良い選別方法となります。

1-3.人の対応に不満を頂く

工務店で家づくりを進める人からは、担当者の対応の悪さについて不満を聞くことが少なくありません。

営業から設計、建築工事まで全てをトータルに行うハウスメーカーと違って、建築工事業務のみに注力していて営業職専門の担当者をおいていない工務店が多いため、そういった会社と打合せなどをすると人の対応について不満を感じるのは無理もありません。

いろいろな事例がありましたが、一例をあげると「名刺交換もまともにできない」「約束したことをメモしないで忘れる」「単純に態度が悪い」「見た目が怖い」などといったことです。あまりに基本的な問題であり驚く人も多いですが、建築業界では残念ながらこういった会社がまだまだあります。

人の対応が良くなくても現場での仕事が良いということは多いので、あまりにひどい場合は除いて、ある程度は許容するという考え方もありますが、心配ならば対応の良し悪しも複数の工務店で見比べるとよいでしょう。

また、次に取り上げる「デザイン力、プランの提案力に欠ける」とも関係しますが、設計者(建築士)を介することで解決する対策が有効です。工務店との話し合いは設計者に概ね任せておき、プラニングなどは設計者と話す形式です。

1-4.デザイン力、プランの提案力に欠ける

デザイン力、プランの提案力に欠ける

工務店に注文住宅を依頼しようとした人が、工務店から住まいのプランニング、設計の面であまり積極的に提案してこないことに対して驚き、不満を抱くケースがよく見られます。

これまで営業や設計を積極的にしてこなかった工務店に依頼しようとしたときには、このような結果を招く可能性は非常に高いです。

ハウスメーカーのように、デザイン面を担当する人がいないから起こることなのです。資格としては建築士であるのですが、デザインに注力した仕事をしてきていない人やそういった意識があまりない人であるならば、デザイン面で期待することはできません。

工務店に依頼する施主としては、社内にデザイン力、建物プランの提案力を持つ設計者がいない工務店が多いことをよく理解して、その工務店とは別に設計者を探してプラニングやデザインの面で仕事をしてもらうことが必要です。

別に設計者と契約すれば、当然ながら設計料がかかるのですが、ハウスメーカーでも設計料がかかります(項目としては建築費のなかに含めていることが多くて知らずに払っていることが多い)。

  • 設計事務所+工務店に発注 → 設計料+建築費を各々に支払う
  • ハウスメーカーに発注 → 設計料を含む建築費を1社に支払う

費用の支払いは上のような図式になりますが、結局は同じことです。金額を比べる場合は設計料と建築費の総額で比べないと、「設計事務所+工務店に発注」のパターンでは設計料が別計上なので損していると誤解してしまうことになります。

1-5.現場の管理体制に問題を抱えている

中小・零細の工務店で工事を進めていくと、工事現場の管理体制に問題を抱えていることが多く、施工ミスがあるまま完成させてしまう住宅も少なくありません。会社のなかで、社内検査体制を考えてもいない工務店があり、且つ知識や技術が明らかに不足している会社もあります。

その結果、欠陥住宅問題として施主と工務店の間でトラブルになっているケースも多いです。

しかし、実は中堅や大手ハウスメーカーであっても現場の管理体制が杜撰なものであることは少なくありません。大手では、多くの住宅の新築工事を請け負っており、1人の現場監督が担当する現場数が多いので管理が難しいのです。

そこで有効な対策として考えたいのは、第三者の住宅検査会社による建築中の住宅検査です。施工品質に対する安心面は、第三者の専門家を利用することで補うとよいでしょう。

1-6.社名・規模による信用がない

工務店に依頼するかどうか迷う材料の1つに、聞いたことがない会社に大事な家の建築を頼んでも大丈夫だろうかという心配があります。これは本当によく気持ちのわかる考えですが、解決することの難しいテーマでもあります。

見積り書のチェックや現場での検査では第三者を活用し、デザイン面では設計者を活用することで、安心をプラスしていくことを考えましょう。

1-7.工務店を見つけるのが難しい

実は、どこで工務店を探せばいいのか?と相談を受けることも多いです。大量の宣伝広告費を使うハウスメーカーならば、チラシやWEB、住宅展示場などで簡単にすぐに出会うことができますが、工務店とはなかなか出会う機会がありません。

逆にいえば、大量の宣伝広告費を使っていないことから、ハウスメーカーよりも安く家を建てることができるわけですから、やむを得ないデメリットでもありますね。それでは、どのようにして出合えばよいのでしょうか。

1つは、まずは設計者を探して間取りなどのプラニングを進めてから工務店を紹介してもらうというパターンです。工務店で家づくりをする上ではよく見られる流れです。設計者は設計者の紹介サイトを利用する方法があります。

当サイト(住むプロ)でも「注文住宅・リノベーションの設計監理」で設計者を紹介しています。

また、工務店を紹介する会社に紹介してもらう方法もあります。但し、そういった紹介サイトでは、工務店と言いつつも営業マンを抱えたハウスメーカーを紹介されることが多いですから、この記事で取り上げているような営業・設計者のいない安い工務店とは少し違っていることが多く、建築費が高めであることが多いです。

これも「建築会社(工務店)の紹介サービス」で紹介することは可能です。

2.中小・零細の工務店に家づくりを依頼する

今回は工務店に依頼するときの7つのデメリットを取り上げて解説しました。いずれも重要な項目ですから、これだけのデメリットがあるならば、やはり大手ハウスメーカーに依頼した方がよいと考えた人もいるでしょうか。

逆に言えば、ここにあげたデメリットを解消することで、中小・零細の工務店に依頼するデメリットを無くし、低価格であるメリットを活かして受注量を増やすことができるのではないかと考えるところですから、工務店にはそういった対策を考えてほしいですね。

そう多くはないですが、この問題に取り組み、解消している工務店もありますから、これから家づくりをする人にとってはそういった工務店との出会いこそが大事なポイントになります。

また、専門家のサポートを上手く利用しながら工務店との家づくりを進めることも考えてはいかがでしょうか。

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