家を建てるならば、ほとんどの人は安くていい家を建てたいものです。安くても自分たちにとって良い家でないならば、それは求めていないという人は多いでしょう。良い家かどうかは同じ住宅でも考え方、感じ方に個人差もありますし、好みの問題もありますから、少し話が複雑になります。
今回は、良い家かどうかの話はおいておきまして、安く家を建てたい人がどのようにして工務店(建築会社)を探せばよいのか解説しています。
1.超低価格で家を建てるなら大手ローコスト住宅メーカー
安い家といってもいろいろありますが、まずは全国の広範囲に営業展開している規模の大きな住宅メーカーについて取り上げます。
1-1.ローコスト住宅メーカーとは?
建築費の安さを武器に全国展開している住宅メーカーは、コスト削減に対して非常に積極的です。コスト削減はある程度の量産によって成し遂げられる面が大きいため、多店舗展開で営業範囲を広め、積極的な広告宣伝も行っています。
供給棟数を増やさないことには、ローコスト住宅メーカーとしての成功は難しくなりますから、多店舗展開と積極的な広告宣伝はともに大事な要素なのです。
建物に使用する部材の共通化、工場生産がコスト削減に大きく寄与することから、どうしても予め規格されている部材、商品を使用することになります。完全に自由な注文住宅というよりは、決められたものから選んでいくことになり、フルオーダーの注文住宅とは相違します。
細部にこだわりがあり、完全フルオーダーの家づくりをしたい人には向かないです。ただ、その安さは非常に大きな魅力であり、建物の大きさやプランなどにもよりますが、1,000万円以下で建てることも十分に可能です。
1-2.ローコスト住宅メーカーの探し方
ローコスト住宅メーカーの探し方は難しくありません。その特徴として、積極的な広告宣伝があることは既に述べた通りですが、それゆえに広告や宣伝を目にする機会は少なくありません。TVCMをしていることもよくあります。
住宅展示場にモデルハウスを出していることも多いですから、住宅展示場のHPを確認した上で訪問してはいかがでしょうか。実際に訪問するときには、「はじめての住宅展示場の見学で後悔しないための注意点」も参考にするとよいでしょう。
また、ローコストを武器に全国展開している住宅メーカーの数はそう多くはありませんから、それらの企業を1つ1つHPでチェックするのもよいでしょう。以下は主だった低価格路線の住宅メーカーです。
- アイ工務店
- アイダ設計
- アイフルホーム
- アキュラホーム
- 飯田産業
- クレバリーホーム
- センチュリーホーム
- セルコホーム
- タマホーム
- ポラスグループ
- レオハウス
これが、坪単価30万円台や40万円台でも家を建てられる可能性が十分にあるメーカーの一覧です。但し、建物のプラン・仕様によっては50万円台になることも少なくはありません。
2.それなりに安い家を建てるなら中小工務店(建築会社)から探す
次に前述した住宅メーカーほど安くはないものの、高価格帯の住宅メーカーよりは安く建てられる工務店(建築会社)について取り上げます。
2-1.それなりに安く建てられる中小工務店のイメージ
価格帯で言えば、坪単価50万円台~60万円台です。これは、各地に根差した中小工務店が該当することが多いです。決められた部材、商品から選んでいくパターンと異なり、フルオーダーの注文住宅を実現できることが多い点がメリットです。
ローコスト住宅メーカーよりはやや高いものの、高価格帯の住宅メーカーに比べれば非常に安く家を建てることができます。
しかし、会社のネームバリューがないことと営業や設計の担当者の対応が不十分なことも少なくなく、担当者による当たりはずれによって悪い印象を持つことも、逆に非常に良い印象を持つこともあります。
2-2.中小工務店の探し方は難しい
最大の問題は、比較的安い価格でフルオーダーの家を建ててくれる工務店(建築会社)をどのようにして探すかという点です。
大手住宅メーカーほどの粗利はなく、年間の供給棟数も限られているため、広告宣伝に過大な投資はできない会社たちですから、施主との接点は多くありません。過去の顧客や設計者からの紹介などで営業していることも多く、見つけることが難しいという話を何度も聞いています。
最近は、工務店の紹介サイトもありますから、そういったサイトの利用も1つの方法です。地域の工務店のHPをインターネットで探して問合せするのも方法です。
HPから選んでいくとき、そのHPのデザインによって印象が決まってしまう傾向にありますが、HPに注力していないだけでよい家づくりをしてくれる会社は多いですから、HPのデザイン重視で選ぶのはやめておきましょう。
紹介やインターネットで見つけた工務店から、どこに依頼するかは重要な判断ですね。その際は、建設業の営業年数や直近5年間の住宅供給棟数、経験豊富な構造・工法を確認するとよいでしょう。
建設業としては古くても、住宅の新築に参入してから2年などということもありますから、そこはきちんとヒアリングしましょう。最終的に工務店をどこにするか決める前には、「後悔しない新築業者・リノベーション業者の7つの選び方」も読んでおくと役立ちます。