新築にしてもリフォームやリノベーションにしても、トイレの種類をどうするか考える機会があるでしょう。タンクレストイレが人気になっていますが、価格面の違いもありますから、タンクレストイレかタンク型トイレにするかで悩む人も少なくないでしょう。
どちらのタイプにするか比較検討するため、タンクレストイレの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。
※トイレ全般の間取り検討時の注意点を学びたいときは「トイレの注意点 ~注文住宅の間取り講座~」をご参照ください。
1.タンクレストイレとは
タンクレストイレとは、その名の通りタンクがないタイプのトイレのことです。その逆がタンク型トイレですが、タンク内に予め水を溜めておき、排水時にタンク内の水を使用します。タンクレスは水を溜めているわけではないため、水道から直結で水を流します。
上の写真がタンクレストイレです。このように、すっきりとした見た目の良さから、タンクレストイレには人気があります。
上の写真はタンク型トイレです。
2.タンクレストイレのメリット
まずは、タンクレストイレのメリットをあげていきます。
- トイレ内のスペースを広く使える
- 掃除が楽である
- 連続で水道を流すことができる
以上3つのメリットをもう少し詳しく紹介しましょう。
2-1.トイレ内のスペースを広く使える
タンクが無い分、タンクレストイレは高さが低く、トイレ内の空間が広く感じられ、すっきりした印象を与える点がメリットだと言えます。見た目には好みがあるものの、これが人気の最大の理由だと言ってもよいでしょう。
また、商品によっては便器の奥行きについては、タンクレスの方が少し短くなっていて、同じスペースのトイレ内でタンク型とタンクレスを比較すれば、タンクレスの方が余剰スペースを少し広くとれます(商品によって異なる)。
空間を重要視するならば、タンクレスがオススメということです。
2-2.掃除が楽である
タンクレストイレは、便器表面の面積が小さいため、拭き掃除なども楽です。すっきりしたデザインで凹凸も少ないので、掃除の点でもメリットがあるのです。
2-3.連続で水道を流すことができる
タンクレストイレは、前述したように水道直結であってタンクに水を溜めておくわけではありません。つまり、水道を連続で流すことが可能なのです。
もし、異物が一度で流れきらなくても、すぐに排水を繰り返すことができるので便利です。タンクレスの場合は、何度も連続で流せず、タンクに水が溜まるのを待つ必要がありますね。
3.タンクレストイレのデメリット・問題点
トイレをタンク型かタンクレスか選択するためには、タンクレスのデメリットも知っておきたいですね。ここで、デメリットを紹介しています。
- 停電時にトイレが使えないことがある
- 手洗いが別途で必要
- 水圧不足で設置に向かないことがある
- タンク型のトイレよりも価格が高い
以上4点のデメリットがあります。4点目の価格が最大の問題となりえますが、1つずつ紹介していきます。
3-1.停電時にトイレが使えないことがある
タンクレストイレでは、排水時に電気を使用します。停電になると使用できない商品もあります。具体的な商品選びの際に、停電時に使用できるものであるかどうか確認が必要です。
3-2.手洗いが別途で必要
タンク型トイレの多くは、タンクの上部分が手洗いになっています。タンクに溜める水で手を洗うことができるのです。しかし、タンクレスの場合には水を溜めるわけではないため、便器で手を洗うことができません。別途で手洗いを確保する必要があります。
例えば、トイレスペース内に小型の洗面を設けるといった対応が必要で、その分、コスト負担が大きくなります。
このデメリットの解決方法としては、トイレを洗面室と一体型にするという方法があります。洗面室内に便器を置き、その便利の横に衝立を設けることでスペースを区切ってしまうのです。これにより、同じスペース内に手洗い(洗面台)があるわけですから、別途で手洗いを確保しなくても良いのです。
別途の手洗いの設置コストがいらず、さらにドアを1箇所減らし、壁量まで減少させることができるため、コストダウンを図ることができます。
3-3.水圧不足で設置に向かないことがある
タンクレストイレの方が水圧不足で排水力が弱いことが多いです。毎回、2度も排水しているという家庭もありましたが、水圧の調整で解決することもありますから、工務店などに確認するとよいでしょう。
3-4.タンク型のトイレよりも価格が高い
タンクレストイレはタンク型のトイレよりも価格が高い傾向にあります。この点が最も大きなデメリットだと言ってもよいでしょう。毎日、家族で何度も使用するトイレですから、良いものを選びたいという考えもあるでしょう。価格は全体の予算とのバランスで判断しましょう。
予算が厳しいときには、「3-2.手洗いが別途で必要」のなかであげたように、トイレを洗面室と一体型にすることでコストを抑えることも考えてみてはいかがでしょうか。