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木造住宅の建築中に絶対にチェックすべき5つの工程

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木造住宅の建築中に絶対にチェックすべき5つの工程

注文住宅でも建売住宅でも木造住宅の建築途中において、施主や買主がチェックしておいた方がよい工程がいくつもあります。住宅の建築過程において大事ではない工程などはありませんから、全ての工程で厳しいチェックをして安全・安心を確保しておきたいものです。

しかし、忙しい施主や買主が全ての工程をチェックすることは無理がありますから、今回のコラムでは絶対にチェックすべき5つの工程に絞って紹介します。

新築住宅の取得にあたって、欠陥工事にあいたくないと考えている人なら、ぜひ押さえておきましょう。紹介している住宅の対象は木造軸組工法(在来工法)です。

今回紹介する5つの工程は以下の通りです。

  1. 基礎配筋検査
  2. 構造躯体検査(構造金物の検査)
  3. 防水工事の検査
  4. 断熱工事の検査
  5. 建物完成後の竣工検査

この5つの工程のチェックがなぜ大事なことなのか、その理由などを説明していきましょう。

1.基礎配筋検査

 

基礎配筋のチェック

住宅の構造的な安全性、耐力を考えたとき、基礎が大事な部位であることは容易に想像がつくのではないでしょうか。基礎は簡単にいえば、鉄筋とコンクリートによって構成されているものですが、この鉄筋の工事(=配筋工事)は非常に大事な工程です。

1-1.基礎配筋検査が大事な理由

鉄筋を配置し施工していくことを配筋工事と呼びます。設計図で指定された通りの位置・ピッチ(間隔)で丁寧に施工していかねばなりません。

基礎のうち、コンクリートは圧縮される力に強く、鉄筋は引っ張られる力に強いと言われており、両方をあわせて有意義な基礎となるわけです。古い住宅の基礎では、鉄筋が無いものもあり、そういった住宅を耐震診断すると耐震性が低くなってしまいます。

耐震性にも影響する基礎の配筋工事ですから、慎重に、丁寧に施工してもらいたいものです。

鉄筋からコンクリート表面までの距離をかぶり厚と言いますが、このかぶり厚がきちんと取れていないと耐久性にも影響してきます。つまり、耐震性、耐久性の両方の点で重要な工程なのです。

1-2.基礎配筋検査は2回行うべき

基礎は、その底にあたる部分(底盤やベース、スラブなどと呼ぶ)と縦方向の部分(立上りと呼ぶ)の2度にわけてコンクリートを打設することが多いです。底盤を打設してから、後日、立上りも打設するのです。

配筋については、底盤のコンクリート打設の際には確認できない箇所を立上りの打設前に確認すべきであることから、2回検査することが最善です。底盤のコンクリート打設前と立ち上がりのコンクリート打設前の2回ということです。

2.構造躯体検査(構造金物の検査)

構造躯体

構造躯体とは、土台、柱、筋交い、屋根などの主要構造部分のことです。建物の骨組みですね。この骨組みの検査も大事であることは想像できるのではないでしょうか。

屋根の棟まであげることを棟上げ、もしくは上棟と呼びます。上棟した姿を見たとき、施主としては感慨深いものもあるのではないでしょうか。

構造解体の検査をする際、上棟するタイミングで検査すると少し早いと言えます。

現場に柱や屋根、土台などの重要部位があるのは確かですが、それらを止める構造金物がまだ設置されていない可能性があるからです。構造躯体の検査をする際は、ぜひ金物も一緒に見ておきたいものです。

上棟してから数日で取り付けられることもありますし、もう少し日数がかかっている現場もあります。工程をきちんと確認してから、構造躯体の検査を入れてください。

3.防水工事の検査

防水工事の検査

防水工事の検査も非常に重要です。防水とは、すなわち雨漏りを防ぐことですからその重要性がわかりますね。

雨水を防ぐのは、屋根材(カラーベストなど)や外壁材(サイディングなど)でも防いでいるのですが、その下側にある防水シートが非常に大切な役割を果たしています。屋根材や外壁材の内部へ侵入してきた雨水を防ぐ役割があり、この工事が不適切であれば雨漏りしてしまいます。

雨漏りは非常に多く、新築したばかりなのに雨漏りに悩んでいるという人は非常に多いです。

防水工事の検査は、屋根面と外壁面の両方で実施することが理想です。そして、よく雨漏りしてしまう箇所であるバルコニーの防水工事もそうです。これらを1回の検査でチェックできる場合もあれば、2回以上にわけて現地で検査しなければ確認できないこともあります。

ただ、次に紹介する断熱工事の検査の際にも防水工事を確認できることは多いので、一緒に見ておくとよいでしょう。

4.断熱工事の検査

断熱工事の検査

ここ最近、建物の断熱性への注目度は高くなっています。省エネルギーという意味で断熱性能は大きな関係があるからです。しかし、省エネルギーの問題以前に、その住宅で快適に暮らしていくために、断熱性能は大事なものです。

断熱性がよいと、冷暖房を効き易いので快適ですし、気温などの条件によっては冷暖房をそれほど使用しなくてもよい家庭もあるでしょう。この断熱性能に関係が深い工事が断熱工事です。

断熱材は建物を覆うように配置されます。外壁面、床下、屋根裏の全てに配置されることで建物を覆ってしまうのです(床下ではなく基礎面に配することもある)。このどこかで断熱材の施工不良があれば、断熱性が劣ってしまうため、チェックしておくべきなのです。

その断熱工事の検査を絶対にしておくべき5つの工程に入れた理由は、最も施工不良が多くて指摘が多くあがるからです。

外壁面の断熱材が隙間だらけになっていたり、屋根裏の断熱材が隙間だらけになっていたり、床下の断熱材が抜けていたりする住宅を数多く見てきました。これらは、完成した後に居住者が見ることのない部分ですから、大工が雑に工事してしまうことがあるのです。

最も指摘が多くあがるところですから、必ず見ておくべきでしょう。

5.建物完成後の竣工検査

住宅完成後の検査

最後にチェックすべきと推奨するのは建物完成後です。

注文住宅の工事請負契約を締結された人なら建物完成後に施主検査があるはずです。また、建売住宅を買われた人なら引渡し前に内覧会や確認会と呼ばれる機会があるはずです。いずれも完成状態の建物を施主や買主が検査する大事な機会です。

このタイミングでは、壁の内部や基礎の内部など隠れて見えない箇所も少なくないですが、それでも外壁、内壁の仕上がり状態や建具や設備の動作状況などを確認することも可能です。点検口があり進入することが可能であれば、床下や屋根裏をチェックすることもできます。

引渡しを受ける前の大事な機会ですから、時間をとってしっかりチェックしましょう。ここにあげた5つの工程を専門家にチェックしてもらうなら、第三者のホームインスペクションも考えるとよいでしょう。

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