工務店選び

リノベーション業者の選び方(高額リノベーションの落とし穴)

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リノベーション業者の選び方(高額リノベーションの落とし穴)

自宅や購入物件をリノベーションするとき、インターネットや雑誌で見かけたリノベーション業者に問い合わせて話が進んでいき、見積りを見たら思っていた以上に高額だったという人は多いでしょう。今回は、「リノベーションの提案内容は良いし、担当者の対応も良い、でも高い」そう感じている人が読んで、リノベーション業者選びに活用できるコラムです。

1.高額リノベーションと大きな価格差

リノベーション工事の金額は千差万別です。複数の業者から相見積もりを取ったところ、ほぼ同じ工事内容にもかかわらず、差額が100万円単位で異なるということはよくあることです。

1-1.相見積もりで290万円もの価格差があった

たとえば、都内の中古マンションを買ってリノベーションをしようとしたところ、A社の見積りは940万円、B社の見積りは990万円、そしてC社は1,250万円という事例がありました。同じマンションの同じ住戸の同じようなリノベーションにも関わらず、290万円もの開きがあったのです。

こうしたことは珍しいことではなく、業界では一般的に起こっていることです。相見積もりを取ればよくわかります。

1-2.坪単価80万円のリノベーションもある

こちらも都内の某中古マンションのリノベーションの話です。工事見積書を見たところ、1,550万円もの金額になっています。その部屋の専有面積は、62平米ですから、25万円/平米です。坪単価で計算すると82万円もの金額となっています。

坪80万円を超える金額となれば、大手ハウスメーカーで家が一軒、建つ金額ですね。マンションのリノベーションですから、一戸建てを新築するのと違い、基礎工事や地盤工事などはなく、あくまで設備や内装材、間仕切壁などの費用です。

その金額に見合うだけの超高級仕様ということならば、理解しやすいのですが、とてもそうは見えませんでした。内容に見合っていない高額なリノベーション工事を目にした事例はこのほかにもいくつもあります。

2.高額リノベーション業者が高額な理由

ここでは、高額な建築費となっているリノベーション業者が、高額となる理由をあげています。業者の内情を見ていきましょう。

2-1.販売・広告費への投資が大きい

建築費以外の様々なコストを考慮して、見積書に金額が出てくるわけですが、販売・広告関係費は大きなものです。

広告費

広告費は、インターネット広告や雑誌への広告掲載がメーンです。インターネットの活用により、広告費は抑えられている印象を持ちますが、露出を増やすために大きな広告費を投資する会社も少なくありません。

モデルルーム

リノベーションの営業のなかで、お客様を魅せる作業は非常に重要です。そのためには、リノベーションのためのモデルルームを用意している会社もあります。もちろん、その運営費・維持費がかかりますね。

2-2.立地がよい(家賃が高い)

来客してもらうときの利便性や企業イメージという点で、店舗・オフィスへの投資金額が多めの会社は、工事見積もりも高めの設定である率が高いです。何度も打ち合わせすることから、利便性は施主にとっても大事ですね。

2-3.人件費が高い

1人1人の給与が高いということもありますが、それ以上に、スタッフの人数が多いと見積り金額も高くなっていることが多いです。専門の営業スタッフがいる会社といない会社とでは会社の負担する人件費が違ってくるのは当然です。

専門の営業スタッフがいない会社では、設計者が営業を兼ねていたり、現場監督が設計も営業も兼ねていたりすることもあります。

2-4.粗利が大きい

そして、単純に会社の得る粗利が多いという点が見積りの高さに影響していることはよくあることです。粗利を多く設定するということは、その会社が強気の姿勢であることが伺えます。

強気になれるのは、集客面(営業面)で成功していることが大きいでしょう。簡単にいえば、他社よりも高くて集客できるならば、高くするのは企業として当然の判断だとも言えます。ただ、それにしても高すぎるのではないかと筆者が感じることは多いですが。

3.「高額 = 悪」ではない

高額リノベーションリノベーションと聞けば、どのような印象を持つでしょうか?

高級という印象を持つ人もいれば、ぼったくりだと感じる人もいるかもしれません。高額なリノベーションだからと言って、何も悪質なものというわけではありません。

仕様レベル(材料・商品のレベル)、人材への投資、品質管理、販売促進などに費やすコストと、それらによって得られる施主のメリットが見合ったものだと施主が判断できれば良いことですね。ただ、建築に詳しくない施主がこれを適切に判断することは非常に困難なことです。

特に、仕様レベルが見積り金額に見合ったものでないと感じられるものは多く、広告やモデルルームなどからくるイメージを重視しすぎていないかと心配になることがあります。

4.高額なリノベーション業者でなくても同じようなリノベーションをできる

冒頭で「相見積もりで290万円もの価格差があった」という話を挙げましたが、もっと価格差が生じることもあります。しかも、同じようなプランの見積りであるにもかかわらず、大きな価格差が生じるのです。

290万円もの価格差がある2つのリノベーション業者を比較してみると、広告・立地・人に対してかけているコストの差が大きく相違していることがわかりました。30%以上も高い見積りの業者の方がそれだけ多くのコストをかけて運営しているのです。

そして、このときの施主の印象では、高額な業者の方が人の対応やイメージから、優先順位が上になっていました。安い業者であっても、対応や工事品質が悪いのであれば、これも重要な選択基準となりますが、いろいろなことを総合的に、そして冷静に判断する必要がありますね。

ちなみに、この見積り比較の事例では、290万円安い方の業者が決して低価格業者というわけではありませんでした。市場相場程度だと考えられる金額です。プランを考慮した場合、この業者の提示する価格に不信感はなく、見積り書の内容(書式・項目・数量などの書き方)も不自然な点はありません。

むしろ、高額なリノベーション業者の方が詳細不明な点がいくつかあったぐらいです。こういった解説を聞いた結果、安い方の業者を選ばれることになりました。

イメージ先行で選ばず、様々な項目を総合的に考慮して、自分たちが優先すべき項目を整理して、業者選びをしましょう。

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