その他

住宅建築中の変更工事と追加工事のリスクと注意点

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
住宅建築中の変更工事と追加工事のリスクと注意点

住宅を新築するときもリノベーション(リフォーム)するときも、工事請負契約を締結し、建築工事が始まった後に、当初の仕様などのプランを変更したいと施主が考えることがあります。また、当初の予定になかった工事を追加で発注したいと考えることもあります。

建築中にプランの変更工事や追加工事を希望する人は少なくないのですが、一方でそういった変更や追加のために建築業者との間でトラブルになったり、後悔したりすることは多いです。建築中の変更や追加工事についてはそれだけ慎重に対処しなければいけないということです。

それでは、以降でリスクと注意点について解説します。

1.建築中に変更工事や追加工事を依頼するリスク

住宅の新築やリノベーションで変更工事・追加工事を依頼するときに考えられる主なリスクとしては以下の3点が考えられます。

  1. 工事費用の見積り金額が割高になる
  2. 建築業者に断られることがある
  3. 工期が大幅に長引くことがある

この3点ともよくあるトラブルであり、リスクだと言えます。こういったリスクがあることをあらかじめわかっておくことで、対策のとり方も違ってきますね。

1-1.工事費用の見積り金額が割高になる

当初の仕様・プランにはない工事を追加したり変更したりすることは、しばしば工事費用を割高にしてしまうことがあります。

その理由としては、建築業者の手間が増えることや工期が伸びることなどがあります。また、変更や追加工事の内容によっては、既に施工済みの箇所を部分的にやりかえるなどの無駄が生じることもありますし、工事の中断期間が生じることもあります。

また、当初のプランとその見積り金額が提示されたときは、建築業者としても施主と契約したいという意識が働くため、施主側に交渉力がある状況でした。それに対して、既に契約が済んでおり工事も進んでいるときには、施主が追加や変更工事のみを別の建築業者に依頼するわけにもいきませんから、建築業者の方が有利な立場にあると言えます。

建築業者にしてみれば、「高めの見積りでも今から他社に乗り換えられることはないから、安心だ」と考えやすいわけです。

希望する工事内容や建築業者の考え方、工事の進捗などの条件によって異なることですから、必ずしも割高になると限ったわけではありませんが、その可能性があることを理解しておくべきでしょう。

1-2.建築業者に断られることがある

工事が始まってからの追加工事や変更工事にトラブルが多いことは、建築業者にとっても好ましいことではありません。トラブルになって困るのは施主も建築業者も同じですね。

そこで、建築業者によっては、工事着手後の追加や変更を一切受け付けないとすることもあります。いつでも追加、変更できるものだと気軽に考えて請負契約を結んで着工してしまってから、建築業者に断られるケースも生じているのです。

1-3.工期が大幅に長引くことがある

プランの変更や追加をするときに最も気になるリスクは、工期です。変更や追加工事の内容によっては、工期が大幅に伸びてしまうことがあるからです。

多少のことであれば、当初想定していた工期のなかで見ている余分で吸収できることもあります。しかし、工事内容によっては、大幅な遅れとなってしまうこともあることは知っておきましょう。工期遅延は、希望する日までに引越しできないという問題も出てきますね。

変更・追加工事を依頼するときの注意点

2.新築やリノベーションで変更・追加工事を依頼するときの注意点

次に、追加や変更工事を発注するときに施主が注意すべき点を紹介します。本来ならば、できる限り追加や変更が生じないようにするため、請負契約の締結前に建築業者としっかり打合せしてプランを固めておくことをオススメします。

それでも、やむを得ず生じる追加や変更があるときのため、ここであげている注意点を覚えておきましょう。

  1. 工事請負契約書で変更工事や追加工事に関する制限をチェック
  2. 追加も変更も必ず見積書をとる
  3. 現場で大工などに直接指示・発注してはいけない変更や追加工事の内容次第では発注時期に制限がある
  4. ワザと必要な工事を当初の見積りに入れていないこともある
  5. 変更・追加工事の発注前に完成時期と引渡し日を確認する

主な注意点として以上6点をあげました。これらについて見ていきましょう。

2-1.工事請負契約書で変更工事や追加工事に関する制限をチェック

先に述べた「1.建築中に変更工事や追加工事を依頼するリスク」のところで、建築業者によっては追加や変更工事を受け付けていないことがあると書きましたが、このことを工事請負契約書に明記していることもあります。契約を締結する前にきちんと契約書を読んで、そのような制限がないかチェックしておく必要があります。

また、契約書に記載されていないときでも、後から変更や追加をできるのか確認しておくとよいでしょう。但し、変更・追加があまり生じないようにするため、契約前のプランに関する打合せ・確定の作業が大事であることもよく理解しておきましょう。

2-2.追加も変更も必ず見積書をとる

建築中に施主の希望によって工事の追加・変更をしてもらうときは、その工事の費用がいくらであるか見積書を提示してもらって確認しなければなりません。工事金額が曖昧なままで追加・変更をしてしまい、後から想定外の大きな費用を請求されたという事例は非常に多いです。

金額をきちんと確認していない方も、明確に提示していない方も問題があったと考えられます。ただ、どちらが悪いのかと責任を求めあう前に、変更でも追加でも新たな工事を発注するわけですから、見積書の確認は必須であると覚えておき、十分に注意しましょう。

もちろん、その見積書の記載内容で金額だけを確認するのではなく、工事内容が間違いないのか、書面で工事内容が明確なものであるのかも確認しましょう。

見積書をとる

2-3.現場で大工などに直接指示・発注してはいけない

追加や変更工事のトラブルの1つとして、施主が建築現場を見学しているときに、その場の思いつきでその場にいる大工などの職人に対して追加や変更の指示をしてしまうということがあります。

責任関係が明確でなく、後から責任の押し付け合いになっているケースが多数ありますから、注意してください。

必ず、軽微な変更であったとしても、担当者(営業など)を通して依頼するとよいでしょう。もちろん、現場で見積りも確認せずに発注するのは論外です。なかには、これぐらいは無償サービスでやってもらえるものだと勝手に考えていたという人もいますが、大きなトラブルに発展することもあります。

2-4.変更や追加工事の内容次第では発注時期に制限がある

変更・追加工事に対応すると言っていた建築業者であっても、依頼内容が現場の工事進捗次第では受けられない工事ということもあります。

施工済みの箇所を広範囲に解体しなければならない注文などは、基本的に断られることが多いです。まだ現場で施工されていない箇所であったとしても、メーカーに商品・部材を発注済みである場合にも対応してもらえないことは多いです。

変更・追加の可能性があるときは、どのタイミングまでに発注する必要があるのか事前に確認しておく必要があるでしょう。

2-5.ワザと必要な工事を当初の見積りに入れていないこともある

建築業者によっては、当初の見積り金額とそのプランのなかに本来ならば必要であろうと考えるような工事を入れていないことがあります。これによって、契約前時点では建築費を安く見せているわけです。

「1-1.工事費用の見積り金額が割高になる」のところでも触れているように、契約して着工してからの追加工事の見積りについては、建築業者に交渉力がありますから、わざと後から提示するようにして、割高な工事金額を請求しようとしているのです。

よって、最初に工事を発注する前に見積書をしっかり見ておくことがたいへん重要だということです。見積り書は時間をかけてチェックするようにしましょう。

2-6.変更・追加工事の発注前に完成時期と引渡し日を確認する

工事の追加や変更が工期延長や完成時期の遅れにつながることは既に述べてきた通りです。新たな工期や完成予定日によっては、施主が困ることもありますね。新学期が始まるまでに引越ししておかなければならないとか、現在の家の退去期日の問題などが絡んできます。

そこで、変更や追加工事の見積りをとるときに、工期の変更・延期があるのか、ある場合にはどのような変更になるのかきちんと確認してください。見積り金額と工期の両方を理解してから、実際に発注するかどうか判断しなくてはなりません。

 

新築やリノベーションにおける追加や変更工事のリスクと注意点について理解できたでしょうか。施工品質がたいへんよいものであったとしても、このトラブルで後悔する人も多いですから注意したいものですね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

注文住宅(家づくり)の見積りチェック・相談

工事見積りで損しないために!
・見積書の怪しいところがわかる
・工事費で大損していないかわかる
・工事費が高すぎないかわかる
・安心して契約できるかわかる

注文住宅(家づくり)の見積りチェック・相談

ハウスメーカーから無料で間取りプランや土地の提案を受けたい方へ