ハウスメーカーなど建築会社が催す構造見学会に参加したことはありますか?建築途中の住宅を見学できるように一般開放しているもので、広告で案内を見たことのある人もいるでしょう。また、既に営業マンと接点があれば、構造見学会への参加を促されている人もいるでしょう。
家づくりで失敗しないために役立つ構造見学会の使い方や注意点について解説していますので、ご覧ください。
1.構造見学会とは?
構造見学会とは、住宅を建築中の現場で実施されるもので、現場見学会と言われることもあります。完成状態の住宅で開催されるものも現場見学会ということはよくありますから、建築中なのか完成後なのか確認してから参加したいですね。
完成住宅の見学であるならば、「注文住宅の完成見学会(完成物件の現場見学会)の基礎知識」をご覧ください。また、住宅展示場へ行くのであれば、「はじめての住宅展示場の見学で後悔しないための注意点」をご覧ください。
1-1.完成後には確認できない範囲を確認できる
建築中に実施される構造見学会では、完成後では隠れてしまって見えないような範囲まで現場で見ることができますから、住宅の構造がどのようになっているのか理解しやすいでしょう。
一般的には、柱、梁、筋交いなどの主要構造部を確認できるタイミングで実施することが多いですが、もっと工事が進行している段階で実施されることもあります。その場合であっても、部分的に点検口を設けるなどして主要構造部分を見られるようにしていることが多いです。
1-2.見学会の実施時期はいろいろある
構造見学会という名称のイベントであれば、前述したように主要構造部分を見られるものですが、建築中の現場見学会というイベントであれば主要構造部分をほとんど確認できないときもあります。防水状況や断熱材の施工状況の確認が主となっていることもあるのです。
開催されることのある見学会のタイミングとしては以下のものがあります。
- 基礎配筋工事の完了時点(コンクリート打設前)
- 棟上げした後(構造金物の設置後)
- 外壁部分の断熱材の施工後
- 外壁面の防水シートの施工後
- 室内ボード(下地材)の施工後・内装仕上げ材の施工前
- 完成後(完成見学会)
これらは、それぞれのタイミングによって確認できることが異なりますから、開催されているのであれば、それぞれに参加するのもよいでしょう。
1-3.設計者や職人の話を聞くことができることもある
構造見学会には、その住宅を設計した人(設計者・建築士)が同席して、住まいの構造などについて説明してくれることが多いです。構造や工法に関する説明するという意味では設計者が適切ですからね。
構造などについて疑問点があれば、その場で質問すれば丁寧に回答して頂けることでしょう。営業マンではわからないような建築に関する専門的なことについても教えて頂ける可能性が高いです。
また、見学会によっては大工さんなどの職人が同席していることもあります。普段は怖くて無愛想なイメージを持っている人でも、この機会に接してみると良い人が多いこともわかるでしょう。
1-4.構造見学会や現場見学会は建築会社にとっては集客や販売促進ツール
構造見学会を開催する側、つまり建築会社の目的は、集客・販売促進が目的です。自社の住宅のアピールであったり、新規顧客の集客をしたりするうえで、建築中の見学会は完成見学会と並んで大事なものだと捉えている会社は多いです。
施主側としては、販売促進のためでも丁寧に説明してくれるのは良い機会ですね。この機会に、不明点などをどんどん質問して有効活用するとよいでしょう。
2.構造見学会(建築中の現場見学会)に参加するメリット
家づくりをしたい人が構造見学会に参加するメリットとはどんなものがあるのでしょうか。代表的なメリットをご紹介します。
2-1.住宅の基本的な構造を学べる
たとえ見学した住宅の建築会社で家を建てなかったとしても、普段は見られない範囲を確認しながら構造などについて説明を受けることで、住宅の基礎知識を学ぶ良い機会になります。構造や工法によって異なる部分は決して小さくないですが、構造・工法の特徴やメリット・デメリットを理解するために役立ちます。
木造軸組工法の見学会だけではなく、木造壁式工法や鉄骨造の住宅の見学会にも参加すると知識がより深まることでしょう。
2-2.建築会社との接点を持てる
どの会社で家を建ててもらうかを検討する上で、施主は複数の建築会社と接点をもち、提案などを受けながら比較検討しなければなりません。接点をもつための1つの機会として、構造見学会を活用することもできます。
一般開放している見学会であれば、参加したときにアンケートへの記入を求められることがあり、後で営業マンから連絡があることでしょう。ただ、アンケートへの回答を見終わるまで保留しておき、良い印象を持ったときのみ回答するということでもよいですね。
2-3.施工品質を確認できる
住宅展示場では、展示された住宅の施工品質をチェックすることにほとんど意味はありませんが、実際の施主(顧客)のために建築している住宅の見学会では、施工品質をチェックするのも有効です。その建築会社、ハウスメーカーが実際に提供する施工レベルがどの程度のものであるか確認することができるからです。
もちろん、あなたが別途で発注して建ててもらう住宅と同じ品質とは限りませんが、参考にはなりますね。
3.構造見学会(建築中の現場見学会)に参加するときの注意点
何度も何度も参加することのない構造見学会ですから、何に注意しておけばよいのかイメージしづらいのではないでしょうか。ここでは、基本的な注意点をご紹介します。
3-1.主催者(建築会社)の指示に従う
建築中の現場ですから、安全性の確保を慎重に考えなければなりません。その役割は建築会社にあるのですが、見学者が建築会社の定めるルールに従わないと適切な安全管理ができなくなる可能性もあります。
たとえば、現場でタバコを吸うといったことは禁止されるはずですが、そういったルール・指示には必ず従うようにしましょう。
3-2.ヘルメットを着用する
見学会の開催中は、工事を止めている施工していないことでしょう。それでも、建築中の現場ですから安全性を確保するため、建物内部に入るときにはヘルメットを被るように依頼されることがあります。ヘルメット自体は主催者側で用意しているので、それを着用してください。
3-3.建築会社が見せたい現場を見せている
前述したように、構造見学会も完成見学会と同じく、建築会社によるPRの場でもあります。つまり、建築会社が見てほしい住宅をあなたに見せているということを理解しておきましょう。見た人にとって印象が良いであろう住宅が選ばれていますから、建物の間取りや設備などの仕様・プランから影響を受けすぎないように意識しておくことが大事です。
失敗しない新築住宅取得のために、構造見学会へ参加するときには、ここに書いていることを理解しておくようにしましょう。