一戸建て住宅で敷地内にスペースにゆとりがある人ならば、ウッドデッキのスペースを設けたいと考える人は多いです。一方で、これまでにウッドデッキのある家で暮らしたことのない人にとっては想定外のデメリットがないか心配もするものです。
住まいにウッドデッキを設置するかどうか迷っている人が知っておくべき、メリット・デメリットと注意点をまとめておきましたので、参考にしてください。
1.ウッドデッキがある家のメリット
まずは、ウッドデッキがある家のメリットについてあげておきます。ここであげられていることが、どれだけのメリットになるのかは皆さんの使い方次第ですから、自分にとってメリットになることかどうか見極めが必要です。
1-1.リビングの延長・もう1つのリビング
多くの場合、ウッドデッキはリビングの隣に配置されます。リビングの掃き出し窓を開けて、建物外部のウッドデッキへと気軽に出られるようにするのです。建物外部(庭など)へのアクセスが非常によくなり、リビングと一体感をもって広く使えることは大きな魅力になることでしょう。
また、リビングからウッドデッキに気軽に裸足で出られることをメリットと感じる人もいます。もう1つのリビングという感覚がいいですね。
1-2.アウトドア気分を感じられる
ウッドデッキスペースでブランチやランチ、ときにはディナーというのもいいですね。もちろん、ちょっとしたティータイムも季節が良ければ気持ちいいでしょう。このスペースでバーベーキューを楽しむ家族もあります。
1-3.洗濯物を干せる
洗濯物を干すスペースとして利用しやすいのもメリットです。洗濯機からの動線がよければ、バルコニーで干すよりもウッドデッキで干すのもよいでしょう。リビングの隣ということはキッチンからも近いですから、料理中の急な雨にも早く対応できますね。
また、庇を設置しておけば、多少の雨なら気にする必要もありません。
1-4.庭より気軽に植栽を楽しめる
庭の植栽の維持・管理が面倒だ、苦手だという人であっても、ウッドデッキならばプランターや鉢で気軽に植栽を楽しむことができます。庭の雑草の管理は大変ですが、プランターや鉢はそういった心配はそれほど必要ないですね。
土や虫が苦手だという人にとっても、ウッドデッキの方が気軽ではないでしょうか。
2.ウッドデッキがある家のデメリット
次にウッドデッキがあることのデメリットについても挙げておきます。あんた自身にとって、ここであげたことがそれほど問題でないならば、ウッドデッキは良い選択肢と言えるでしょう。
2-1.メンテナンスに手間とコストがかかる
ウッドデッキを設置するには当然ながら設置コストがかかりますから、これもデメリットと言えます。そして、その後のメンテナンスの手間やコストもデメリットだと言えます。日頃からきちんと管理しておくことが、ウッドデッキをよい状態で長持ちさせることになりますから、そういったマメな対応ができるかどうかは大事なことです。
2-2.木製のウッドデッキは腐朽リスクがある
ウッドデッキにも材料がいろいろありますが、よく考えて選ばないと腐朽してしまうことがあります。中古住宅の診断(インスペクション)をするとウッドデッキがひどい状態になっていることを何度も見かけましたが、撤去処分する費用がかかるだけの負の財産になっていました。
どういった材料にするかは大事な注意点でもありますが、これについては後述します。
2-3.木製なら塗装が大変
腐朽リスクと近い意味もありますが、木製のウッドデッキを長く良い状態で維持するためにはきちんと塗装する必要があります。塗料を短期間で繰り返し使うわけではないですから、塗装した後にどこかに長期間、保管する必要がありますが、そのスペースを用意しておく必要があります。
また、塗料を保管しておいた方がよいとはいえ、何年も使わないだけに、次に使用したいときに使えるかわかりません。だからといって捨てるにも油と一緒でそのまま気軽に捨てられないため、固形状にしたり、紙にしみこませたりして処理しなければならず、なかなか面倒ですね。
2-4.ただの物置になってしまうことがある
維持管理が苦手で面倒だという人、もしくはほとんどウッドデッキを使わなくなった家庭では、せっかくのウッドデッキがただの物置になってしまうこともあります。
自分たちに敵したものなのか、本当に必要なものなのかといったことをよく考えてから判断すべきでしょう。
2-5.建物とウッドデッキの関係
ウッドデッキは建物の外壁にほぼ密着する形で施工されることが多いです。リビングからそのままウッドデッキに出て利用するためにもその方が便利ですね。しかし、これによって雨水などの排水ルートをきちんと考えておかなければ、建物を傷めることになる可能性があります。
また、外壁とウッドデッキ間や周囲の通気が不十分であれば、カビが生じることもあります。排水や空気の流れをよく考慮してウッドデッキを設置したほうがよいでしょう。
また、外壁とウッドデッキの隙間などに物を落とすと取れなくなります。大事なものを落とした時にはウッドデッキを一部破壊しなければならないということもあります。
2-6.視線が気にあることがある
ウッドデッキのメリットの1つがリビングの延長として使えることであり、開放感のあるアウトドア気分を感じられることです。しかし、逆に屋外だけに周囲からの視線が気になることもあります。隣地の2階から見えやすい状況であれば、気軽に使えないと感じる人もいることでしょう。
3.ウッドデッキを利用するときの注意点
メリットもデメリットも理解したうえで、それでもウッドデッキのある家にしたいという人ならば、ここであげた注意点についてはきちんと対策をとったうえで計画するとよいでしょう。
3-1.木材の腐朽対策
木製のウッドデッキには腐朽リスクがあることは既に述べた通りです。しかし、腐りづらい材料(ジャラなど)を使用することが良い対策になります。このときに注意したいことは、下地も同様に腐りづらい材料で施工することです。
防腐剤を使用したり、シロアリ対策として防蟻剤を使用したりすると、これらには毒性があるので危険です。子供やペットが床を舐めてしまうと怖いので注意しましょう。
3-2.庇を付けた方がよい
ウッドデッキの上あたりには庇を設置すると便利です。メリットでも挙げたように、洗濯物干しスペースとしても使いやすいですし、そこでくつろぐときの日焼け対策にもなります。但し、リビングへの日照が減ってしまうことも考えて、可動式の屋根やパラソルも選択肢に入れるとよいでしょう。
3-3.延焼に要注意
ウッドデッキで火を使う人もいます。バーベキューを楽しむ人はそうですね。火災になるリスクがありますから、十分に注意しなければなりません。本当はウッドデッキでBBQを楽しむのは危険ですからオススメできません。
3-4.欠損・ササクレによる怪我に注意
利用しているうちに劣化などによって床に欠損が生じたり、ササクレが生じたりすることがあります。リビングから裸足で出てきたときに、怪我をしてしまうことがありますから注意が必要です。普段から、劣化状態(特に床の表面)について気を配っておく必要があります。
ウッドデッキは住まいをより楽しむため、よい快適にするために設置するものですが、デメリットや注意点を把握しておかないと後に後悔することもあります。有ると良いものですがよく考えて設置したいものです。