中古住宅には、不具合はつきものです。
経年劣化している設備も多く、メンテナンスとの付き合いが前提となります。
しかし怖いのが、予期せぬ不具合です。
入居後、予期せぬ不具合があり、トラブルに発展するケースも多いです。
この記事では、
- 中古住宅で起きやすい3つのトラブル
- トラブルを防ぐ方法
について解説します。
円満な中古住宅の購入を目指すため、ぜひ参考にしてみてください。
予期せぬ不具合を防げ!中古住宅の不具合の事例
中古住宅は「買ってみないとわからない要素」がいなめません。
メーカースペックが担保されやすい新築と比較すると、リスキーではあります。
とくに注意すべきなのが、「予測できなかった不具合」です。
中古住宅にありがちな不具合は、次のような事例があります。
【入居後、すぐに気が付く不具合】
- 扉や窓のガタつき
- 柱のひび割れ
- 壁紙のクロスの剥がれ、汚れ
- 設備の汚れ、動作不良
【入居後、しばらくして気が付く不具合】
- 雨漏りがする
- 床鳴りがする
- 床下の断熱材が外れている
- 配管からの水漏れがある
- 木材部分にシロアリを発見
- 耐震基準を満たしておらず、リフォームできない物件だった
すぐに気が付く不具合であれば、物件の内覧で確認できます。
しかし入居後しばらくして気が付く不具合は、のちのちトラブルになりやすいです。
内覧のときは、「気がつかない不具合があるかも・・・」と念頭に置きながらチェックしてください。
ありがちな中古住宅の「3つのトラブル」とは?
トラブルがあっても責任さえはっきりしていれば、修理してもらえます。(費用の請求も可能)
しかし責任の所在がはっきりしないと、
「売主の説明不足だ!」
「確認していない、買主の責任だ!」
水かけ論争になりがちです。
また「法律上、リノベーションができない物件だった・・・」なども、トラブルになりやすいです。
中古住宅で遭遇するトラブルは、3つのパターンに分類できます。
予想以上に老朽化している。
もっともトラブルの火種になりやすいのが、老朽化(劣化)です。
実際に住んでみると、内覧で確認したときより劣化が目立ちます。
- 少し使ってみたら、壊れた。
- 照明をつけたら、予想以上に汚かった。
- 日差しのいい日に確認したら、汚れが目立った。
- すぐに落ちると思った汚れが、しつこい汚れだった。
- 外壁の防水性が失われていた。
内覧会では新しい住宅探しで、テンションが上がっているもの。
細かい汚れ・劣化を見落とさないよう、冷静なチェックが大切です。
思っていた以上に、断熱性・耐震性が低い。
中古住宅の内覧会で分かりにくいのが、断熱性と耐震性。
内覧会では満点の物件でも、「住んでみたら寒い」とはよくある話です。
とくに断熱性は、中古住宅では注意が必要です。
断熱材は年々進化しています。
築年数の古い住宅と新築の断熱材とでは、性能に驚くほどの差があります。
入居して暖房器具をつけてみると、
「以前のマンションより寒い」
「暖房も効きにくい」
と感じることも。
断熱性能で不満を感じても、保証が受けにくい点も注意が必要です。
また耐震性も大きな問題です。
- 旧耐震基準(~1981年):震度5強程度でも倒壊しない。
- 新耐震基準(1981年~):震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない。
検討している中古住宅が「どの耐震基準なのか?」によって、耐震性は大きく変わります。(新耐震基準でも、年代によって性能は変わります)
契約してから後悔しないようにに、予備知識として身につけておきたいところです。
シロアリ・雨漏りの被害があった。
内覧会で判別つきにくいのが、シロアリ被害や雨漏り被害。
建物内部の劣化は素人には発見し難く、入居してから気が付くことも多いです。
中古住宅のシロアリ被害は、重要事項説明での告知が義務つけられています(売主が知っている場合)。
本来であれば、シロアリ被害を知らずに契約しないはず。
しかし「売主がシロアリ被害に気が付いていないケース」もあり、油断はできません。
見極めが難しい中古住宅の購入では、ホームインスペクション(住宅診断)が役に立ちます。
目視できる範囲でシロアリ被害の確認が可能です。
中古住宅のトラブルを未然に防ぐ方法は?
のちのち揉めることの多い、中古住宅。
しかし事前に対策・準備することで、トラブルは未然に防げます。
内覧会・現地確認を入念に実施。
中古住宅は、現物を確認できるのがメリットです。
そのため契約前に何度も確認し、納得してから契約することが何よりも大切です。
確認すべきポイントとしては、
- 外装、内装の劣化状況
- 基礎、床下の劣化状況
- 屋根材、天井の劣化状況
など、家の構造に関わる部分は、入念にチェックしてください。
それだけでなく、
- 住宅設備(窓・扉・収納・水回り)は、すべて動作確認。
- 日当たり、風通しなど、時間帯を変えて確認。
- 隣家との距離感、周辺環境。
など、細かく確認することで、入居後のトラブルを防げます。
契約内容・メンテナンス履歴の確認。
中古住宅のトラブルを防ぐには、契約内容・メンテナンス履歴の確認が大切です。
- シロアリ被害の有無。
- シロアリ防蟻処理の履歴。
- 耐震基準の確認(旧耐震・新耐震)。
- 耐震リフォームの履歴。
- 屋根、外壁のメンテナンス履歴。
「大丈夫だろう」との過信は、トラブルの元になりますよ。
注意すべきは、内装をキレイにリフォームした、「リフォーム済み物件」。
ほかの中古住宅に比べると、見栄えがするので人気があります。
しかし目に見える部分はキレイでも、目に見えない部分(屋根裏・床下)などはメンテナンスされてないかもしれません。
目に見えない劣化状況は、メンテナンス履歴でご確認ください。
既存住宅売買瑕疵保険に加入する。
既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の
- 構造耐力上、主要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
などに重大な欠陥が見つかった場合に、補修費用をまかなうための保険です。
「トラブルを未然に防止・・・」とはなりませんが、トラブル発生時は心強い味方になります。
「既存住宅売買瑕疵保険」に加入するには、専門機関による検査が必要です。
検査費用の負担が必要ですが、最長5年・最大1000万円の保証が受けられます。
予期せぬトラブルに備える意味でも、保険への加入は検討する価値があります。
ホームインスペクション(住宅診断)を利用する。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅の劣化状況を診断し、補修すべき箇所をアドバイスするサービスです。
中古住宅の購入ではホームインスペクションを活用する方は多く、トラブル回避につながります。
ホームインスペクションのメリットは、「第三者の立場」から指摘してくれること。
仲介業者や売主の「売りたい気持ち」に左右されないため、正確な診断が可能です。
「買う・買わない」の判断にも役に立ちますし、入居後のメンテナンス計画(資金計画)にも活用できます。
中古住宅も購入してから、長い付き合いになります。
購入前のホームインスペクションで、物件の健康状態をチェックしておきましょう。
まとめ:防げるトラブルは、未然に防ぐ。
物件によって劣化状況が異なる中古住宅では、新築よりもトラブルが発生しがちです。
そのためトラブルを未然に防ぐ対策が必要です。
- 内覧会、現地確認を入念に。
- 契約内容、メンテナンス履歴を確認。
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入する。
- ホームインスペクションを利用する。
トラブルなく中古住宅が購入できれば、理想の暮らしをローコストで入手可能です。
中古住宅の不安が残る方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。